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ECFAゼロ関税、577品目に拡大


ニュース その他分野 作成日:2012年1月3日_記事番号:T00034663

ECFAゼロ関税、577品目に拡大

 中台間の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)に基づくアーリーハーベスト(早期の実施・解決項目)の関税引き下げで、適用対象の台湾産品のうち、中国輸出の際にゼロ関税となる品目の割合が昨年の約1割から今年1月1日より一挙に95%へと拡大した。経済部国際貿易局(国貿局)によると、中国による関税引き下げ対象の台湾産品輸入額は今年、前年比12%増の231億米ドルに上る見通しだ。馬英九総統は2日、農産物のほか、工作機械や衣類、家電製品も有利になるとの見方を示した。2日付聯合晩報などが報じた。


ECFA推進が農業・漁業従事者に恩恵をもたらすとして、台南市海峡両岸経貿文化発展協会は馬総統への支持を表明した(中央社)

サバヒー、早速180トン輸出

 国貿局によると、アーリーハーベストによる関税引き下げ対象の608品目は、11~13年の3段階でゼロ関税が実現する。ゼロ関税適用対象は初年度の昨年は76品目だったが、今年は577品目に拡大した。これにより、石油化学、紡織、交通乗用具、工作機械などの業界が恩恵を受ける。石化製品は大部分がゼロ関税となり、昨年関税15%などだった電鍋(台湾の調理器具)、電子レンジ・オーブンレンジなどもゼロ関税となる。一方、台湾輸入の際にゼロ関税が適用される中国産品も、昨年の67品目から、今年186品目に拡大された。

 馬総統は、家電製品は中国でも製造されており品質も台湾より劣ると限らないが、ゼロ関税になれば電鍋だって売れるようになると指摘。逆に中国産品が台湾に輸入されても、台湾産品の方が品質が良いため、ECFAは台湾に有利だと強調した。

 関税引き下げ適用の台湾産農産物のうち、中国人に人気が高いのはサンマ、文心蘭(オンシジュウム)、石斑魚(ハタ)、バナナ、ウーロン茶などだ。1日からゼロ関税となった大衆魚の虱目魚(サバヒー)は早速、総額1億台湾元(約2億5,000万円)以上、180トンが輸出されている。

世界景気不振でも成長予測

 国貿局の陳銘師副局長は、ECFAアーリーハーベストによる関税引き下げが始まった昨年、関税引き下げ適用産品の対中輸出額は1~11月で38億5,800万米ドル、関税減免額は1億1,400万米ドルで、効果は大きくなかったと指摘した。ただ、昨年1~11月の対中輸出額は前年比9.1%増の1,145億3,000万米ドルで、通年では過去最高になったとみている。今年は大幅な関税引き下げ効果が見込め、世界景気の鈍化で伸び幅は縮小するものの、対中輸出額は過去最高を更新すると予測している。