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化繊業界に緊急受注、春節フル稼働


ニュース 石油・化学 作成日:2012年1月5日_記事番号:T00034717

化繊業界に緊急受注、春節フル稼働

 ナイロンチップ、ポリエステル加工糸大手の力麗集団傘下の力麗企業、力鵬企業および集盛実業は受注が急激に増えており、今年の春節(旧正月)は休暇を取りやめてフル稼働で生産に当たる。背景には紡織製品が中台間の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)に基づき、1月1日から対中輸出に際しゼロ関税が適用されたこと、および昨年末にナイロン原料のカプロラクタム(CPL)価格が反発したことで、加工糸の在庫水準が低下していた川下メーカーが一気に調達を再開したことがある。5日付中国時報が報じた。

 CPL価格は昨年12月下旬に反発を見せ、上層幅は7%に達している。これを受けて力鵬、力麗は同月最終週に大量の緊急受注を得た。林文仲・力麗総経理は4日、同社の12月最終週の出荷量は、同月1〜3週の出荷量とほぼ同等だったと明らかにした。その上で、同社および力鵬のポリエステル加工糸部門は、春節休暇をすべて取りやめ、フル稼働で対応に当たることを決めたと語った。

 なお力麗関係者によると、同社は現在、これまで稼働を停止していた一部生産ラインがすべて回復し、深刻な人手不足状態となっている。

2月まで受注満載

 一方、集盛実業の尤義盛・広報担当によると、同社は経済環境悪化を受けて昨年10〜11月、受注が予想を下回り、今年の春節は一部生産ラインの稼働停止は避けられないとの懸念があったという。しかし12月から相次いで受注が舞い込み始め、現在では2月までの受注が満杯状態となっている。

 業界関係者は、春節前後に出荷のピークが出現する見込みのため、同期間のフル稼働は春節明けの受注に備えたものだとみている。証券会社も、ポリエステル加工糸業界は第1四半期、一気にハイシーズンに突入したとの見方を示した。

【表】