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ブランド品「運び屋」手伝いがあだ、客室乗務員2億元の詐欺被害に


ニュース 社会 作成日:2012年1月6日_記事番号:T00034721

ブランド品「運び屋」手伝いがあだ、客室乗務員2億元の詐欺被害に

 世界中で女性の人気の的の高級ブランド「エルメス」のバッグ。中でも大ぶりの「バーキン」は多くの女性芸能人も持つ人気商品で、安くても28万台湾元は下らず、最も高価なタイプだと約600万元もする代物だ。こうした高級バッグは並行輸入が盛んで、個人が「運び屋」になって小遣いを稼ぐのもはよくある話だ。今回、大手航空会社の客室乗務員らが並行輸入業者の「運び屋」を務めた揚げ句、業者の詐欺話にだまされて計2億元もの被害が出たことが明るみになった。

 ある債権回収業者が明らかにしたところによると、台北市東区エリアで並行輸入のブランド洋品店を構えていた黄柏皓氏(42歳)は、3〜4年前から大手航空会社の客室乗務員に高級バッグを海外で買って台湾に持ち込むよう依頼し、1回当たり5万~10万元の報酬を手渡していた。乗務員に対しては空港での荷物チェックが甘いことに目を付けたのだ。黄氏はこうして客室乗務員らと信頼関係を築いた上で、「一口100万元で店に出資しないか」と持ちかけた。この話に女性乗務員ばかりか、男性乗務員やパイロット10数人が乗り、それぞれ300万〜1,000万元、計2億元を黄氏にあずけたという。

 ところが11月初旬、ある女性乗務員がいつものように頼まれたバッグを持って訪れたところ、店はもぬけの殻になっていた。しばらく前に店を閉めたと近所の人から聞き、詐欺に遭ったことに気付いた。女性は何とか回収したいと債権回収業者に泣きついたのだった。

 われ先にと儲け話に飛びついた乗務員の中にはカップルもおり、結婚資金が水の泡となったケースも。30歳のある女性乗務員は、「簡単に儲かったので、投資話も信じて貯金の数100万元を渡してしまった。家族に家を買ってあげられると思ったのに…」と泣いて訴えている。

 なお、中華航空(チャイナエアライン)と長栄航空(エバー航空)は、同件は会社とは一切関係ないと強調。税関の規定以上のブランド品持ち込みなどが発覚した場合、悪質な場合は解雇処分もあり得ると説明した。