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中韓FTA、台湾2千品目に打撃懸念


ニュース その他分野 作成日:2012年1月13日_記事番号:T00034888

中韓FTA、台湾2千品目に打撃懸念

 中国と韓国が自由貿易協定(FTA)の早期締結を目指す方針で一致したが、経済部は、実現した場合、台湾の工作機械や石化製品など対中輸出品2,000品目以上が打撃を受けると懸念している。国際貿易局(国貿局)の卓士昭局長は12日、海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)の後続交渉を加速させる考えを示した。13日付工商時報などが報じた。

 卓国貿局長は、中国市場において台湾と韓国は数多くの製品で競合関係にあり、ECFAを締結した際には韓国に緊張が走ったと指摘した。同様に中韓FTA締結が台湾にプレッシャーとなることは避けられず、台湾は中国とのさらなる交渉推進に注力していくと語った。ただ、合意の目標時期を定めれば性急になりすぎ、良くない結果を生むと付け加えた。

 経済部によると、台湾と韓国が中国市場で競合関係にある製品は、▽工作機械▽産業用機械▽石化製品▽紡織原料──など。工作機械は、台韓が中国市場でシェア4~5位を争い続けている。ECFAに基づくアーリーハーベスト(早期の実施・解決項目)の関税引き下げの対象でない品目が中韓FTAで関税引き下げとなれば、台湾に不利になる。

 経済部関係者によると、ECFAの関税引き下げ範囲の拡大に向けた交渉で対象入りが待たれる製品は、機械類で100品目、石化類、紡織類で2,000品目に上る。

中国製品の輸入、「台湾に打撃なし」

 経済部貿易調査委員会(貿調会)は12日、2011年に始まったECFAの関税引き下げでは、中国からの輸入製品267品目が対象となったが、台湾の産業界に打撃を与えていないと表明した。

 貿調会によると、昨年1~10月に輸入量が激増した47品目のうち酢酸、アクリル酸類、蛍光増白剤、ポリエステルフィラメント糸の4品目で、業者が「影響を受けた」とアンケート回答を寄せた。ただ業者に実態を確認したところ、台湾市場での需要の増加に伴う供給不足対応や、第三国からの輸入を中国からに切り替えたことによる一時的現象だったという。

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