ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

「パウルの里」、総統選結果がまたも的中


ニュース 社会 作成日:2012年1月16日_記事番号:T00034902

「パウルの里」、総統選結果がまたも的中

 2010年のサッカーW杯期間中、試合結果を当て続けたタコのパウル君が大変な人気を集めたことはまだ記憶に新しい。そして、その見事な的中率に例えられ、「選挙のパウル君」と呼ばれる「里」(最小の行政区画)が新北市鶯歌区にある。

 里の名前は建徳里。大漢渓に面した台湾鉄路(台鉄)縦貫線沿いの、わずか168世帯、約600人が暮らす小さな里だ。1994年の台湾省長選挙以来、建徳里の投票結果が全土の結果とほぼ一致してきたことから、名前が知られるようになった。例えば2000年の総統選で、連戦(国民党)、陳水扁(民進党)、宋楚瑜(無所属・当時)の3候補の得票率は、建徳里での得票率が「23.8%、38.48%、37.72%」、台湾全土で「23.1%、39.3%、36.84%」とほぼ一致。勝敗を外したのは投票日前日に陳総統銃撃事件が起きて票が大きく変動したとみられる04年の総統選の一度きりで、その際も連戦氏50.88%、陳水扁氏49.12%と、大接戦の傾向は合っていた(全土の結果は連戦氏49.89%、陳水扁氏50.11%)。

 当然、先週14日の総統選でも、建徳里の動向には注目が集まった。そして、またもや「建徳里で勝てば全土で勝てる」ことが証明されたのだった。馬英九(国民党)、蔡英文(民進党)、宋楚瑜(親民党)の3候補の建徳里での得票率は「51.61%、44.89%、3.49%」で、全土の結果は「51.6%、45.63%、2.77%」。これほど傾向がピタリと合った行政単位は全土でも建徳里のみで、馬氏の得票率に至ってはわずか0.01ポイントの違いしかなかった。

 一体なぜこうも当たるのか。蘇利男里長は、「男女の比率がほぼ同じ、住民の仕事もさまざまで、台湾全体の構造と似ているからではないか」と話す。ちなみに建徳里の開票結果を一足先に知ろうと、わざわざ他の選挙区からやって来る候補者もいるという。

 なお、14日は開票を前に住民が建徳里の廟で占いをしたところ、「馬氏が勝つ」という結果だったという。「ここはご利益のある土地なのよ」という住民の言葉は、かなり説得力がある。