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鴻海が600人削減か、スロバキア工場


ニュース 電子 作成日:2012年1月18日_記事番号:T00034982

鴻海が600人削減か、スロバキア工場

 ソニーの欧州での液晶テレビ販売不振を受けて、受託生産を行っている鴻海科技集団(フォックスコン)が、スロバキア西部のニトラ工場で600人の人員削減を行うもようだ。欧州債務問題は今年、同社の経営にとって大きな変数となる気配だ。18日付経済日報がスロバキア経済紙の報道として伝えた。

 スロバキア現地紙は、グループの駐スロバキア広報担当、ヘレナ・ウィンディシュ氏が、「液晶テレビは世界および欧州市場で厳しく、戦略パートナーへの影響がわれわれの生産計画にも及んでいる」と発言したと伝えた。600人削減により、同工場の人員は1,800人になるという。経済日報は、同情報について出稿時間までに鴻海に確認は取れなかったとした。

 郭台銘・鴻海集団董事長は先週、現在は「創業以来前例がない」景気低迷との認識の下、使用されていない設備や工場棟の放出、余剰人材や原材料の排除を進める対策を取っており、一方でリストラや無給休暇は実施しないと表明していた。

 これについて証券会社は、リストラをしないというのは主に台湾での方針で、スロバキア工場での適度の人員調整は必要性があるとの見方を示した。ディスプレイサーチの謝勤益副総裁も「債務問題の影響で、今年、欧州液晶テレビ市場の成長力は米国や中国大陸に及ばない。そして欧州の液晶テレビ生産コストは中国よりも高いため、人員削減はコストを下げられるので鴻海にとって悪い話ではない」とコメントした。

 謝副総裁によると、鴻海は今年液晶テレビ組み立てで「大型化・集中化」を進める。主にソニー、シャープ、パナソニックの日本ブランドからの受注に集中し、中国企業は国美電器(GOME)、蘇寧電器の販売店ブランドのみに絞って、その他の小規模な顧客からは受注を受け付けない方針だという。

 なお、ソニーは、サムスン電子、LGエレクトロニクスの韓国勢に追い付くために、コスト競争力の高い鴻海の組み立てへの依存度を高めるとみられている。

アップル事業は好調

 鴻海は米アップルからの受託生産事業は好調だ。JPモルガン・チェースのアナリスト、ゴクル・ハリハラン氏は17日、鴻海による今年第1四半期のiPhone出荷台数は3,400万台、iPadは1,500万台に達し、同期利益は市場の予想を上回るとの見通しを示した。

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