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高齢の元市長、選挙賭博大敗で姿くらます


ニュース 社会 作成日:2012年1月19日_記事番号:T00034984

高齢の元市長、選挙賭博大敗で姿くらます

  嘉義県朴子市で、王如経市長の父親で、同市初代市長を務めた王朝栄氏が、総統選挙の賭博で875万台湾元もの負けを抱えて行方をくらましたことが分かり市民に衝撃を与えている。王朝栄氏はアルツハイマー症を患っていたことが知られており、失踪(しっそう)劇は単純ではなさそうだ。

 王朝栄氏の失跡は、賭博に参加した同市カン後里(カンは山の下に坎)の王文賀里長と知人の張啓原氏が18日、警察に自首したことで発覚した。

 王里長の供述によると、自身は民進党支持で、国民党支持者の張啓原氏との間で、総統選挙の勝敗で30万台湾元の賭けの約束をしていた。ところが1カ月前、これを耳にした王朝栄氏が突如、「おれが胴元をやる。馬英九は負ける。馬の支持者を集めてこい。掛金はいくらでも受けてやる」と言い出したという。

 王里長が張啓原氏を通じて賭博への参加者を募ったところ、馬氏が勝つと考えている人にはおいしい話と思われたのか、たった数日で875万元が集まった。「負けた場合は払い戻せないのではないか」と一度は心配したが、「息子は市長だ。絶対大丈夫だ」と王朝栄は超強気だった。

 そして総統選の結果はご存知の通りで、王朝栄氏の予想とは逆の結果となった。王里長が16日、王朝栄氏に払い戻しを求めたところ、「負けは背負うのは自分1人だが金がない。農地を売るしかない」と言い出すではないか。そして、その日の午後に王朝栄氏は行方をくらまし連絡が取れなくなってしまったのだった。

 一方、賭博のあっせんをした張啓原氏は、客からの払い戻しの要求に困って王里長に対策を相談。「賭博罪に問われたとしても、客に殺されるよりはましだ」と警察への自首を決めた。

 王朝栄氏の息子の王如経市長によると、王朝栄氏は80歳を超える高齢で、アルツハイマーを患って久しく、このことを知っていた人も多いという。そうなると王朝栄氏は、はめられた可能性もあるのではないか?王市長は「父が正常でないことは分かるはずなのに、選挙賭博に参加させたのはおかしい」と、負債の肩代わりを拒否する意向だ。王市長は父の行方に心配を募らせている。今はともかく、高齢の元市長が無事に発見されることを祈りたい。