ニュース 家電 作成日:2012年1月20日_記事番号:T00035038
フィルムなど写真用品大手でデジタルカメラも販売する米イーストマン・コダックが19日、米連邦破産法11条(民事再生法に相当)の適用を申請したことを受け、同社デジカメを受託生産する台湾の亜洲光学(アジア・オプティカル)と華晶科技(アルテック)が大きな打撃を受ける見通しだ。両社が抱える未回収債権は最大で16億台湾元(約41億円)に上る。スマートフォンの登場でデジカメの市場規模縮小、価格下落が続く中、台湾の受託メーカーも事業の転換を迫られそうだ。20日付経済日報などが報じた。
コダックの経営破綻により最大のダメージを受けるのは亜洲光学で、未回収となっている売掛金3,100万米ドルに未出荷の在庫を加えると、損失は最大で10億3,000万台湾元(約26億5,000万円)に上る。
鄭義林・同社広報担当によると、昨年のクリスマスまで支払いは正常に行われていたが、今年に入って滞るようになったという。ただ、現在も一部の支払いは続いているほか、あらゆる手段を通じて債権の回収に努める構えで、亜洲光学が被る最終的な損失規模はまだ確定していないと説明。また「当社には59億元の手元現金・現金相当物があり、今後の業務の発展には十分だ」と強調した。
しかし、同社は昨年第1〜3四半期に5億9,500万元の損失を計上、第4四半期も赤字となった可能性が高いことから、今回のコダック破綻が亜洲光学にとって大きな痛手となることは間違いなさそうだ。
一方、アルテックは、コダック破綻に先駆け、最大で6億2,400万元の回収不能となる恐れがある売掛金を、既に昨年の財務報告書に計上している。今後、回収に努める方針だが、当面、昨年利益の76%が失われることになる。
過去の栄光が事業転換を阻害
なおコダックの破綻について経済日報は、「過去の栄光に引きずられて、時代の変化に合わせた事業転換に失敗した」と分析。企業が重要な転換期に差し掛かった際は、全く新しい思考で、勇気を持って改革を断行しなければならないと提言した。
世界を代表するフィルムメーカーであるコダックは、世界初のデジカメを発売するなど、技術の変化に応じた事業転換を進めた。しかし、フィルム事業との兼ね合いから、デジカメ事業で思い切った戦略を打ち出すことができず、同社が抱える強力なマーケティング能力を生かすことができず他社に大きく遅れを取ったと同紙は指摘。古い考えにとらわれて判断を誤ったことが同社の凋落(ちょうらく)につながったと論じた。
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