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新安東京産険、中国損保への出資に認可


ニュース 金融 作成日:2007年11月1日_記事番号:T00003505

新安東京産険、中国損保への出資に認可

 
 裕隆集団とミレアホールディングスの合弁損保会社、新安東京海上産物保険(本社・台北市)が、中国の損保企業への出資に対し、台湾損保として初めて行政院金融監督管理委員会(金管会)より認可を受けた。1日付工商時報によると、すでに福建省アモイの損保会社と合弁子会社を設立することが決まっており、これに対する出資という形をとるようだ。7日の董事会で決定するという。
 
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 同日付経済日報によると、新安産険は中国で実質的な事業を行う台湾の損保としては、上海子会社が来年開業する予定の国泰世紀産物保険に次いで2社目となる。

 新安産険が自身の子会社ではなく、出資による事業参入を選択するのは、中国金融当局が子会社申請の条件とする「資産規模50億米ドル以上、会社発足より30年以上が経過、中国国内に事務所を設置して2年以上」のいわゆる「532条件」をクリアできないためだ。

 中国は地場損保への外資の出資比率は25%を上限としており、また、台湾側の規定では出資額は企業の実質資本金の10%を上限としている。新安産険の実質資本金は29億9,000万台湾元(約106億円)のため、出資可能額は最大で2億9,900万元となる。

中国の損保市場を学習

 出資方式を選択したことについて林裕村新安産険協理は、「ミレアアジアも中国に子会社を置いているが、一部の業務が規制によって展開できていない。中国の損保への出資であればこの点を解決できる。最大出資額が2億9,000万元であれば、せいぜい『大株主のうちの1社』にしかなれず、最大の目的は現地での学習だ」と語った。中国の損保会社の業務と運営モデル、損保市場の動向などを把握する意図とみられる。 

 なお、経済日報によると、新安産険の出資計画に対し、すでに子会社を展開させているミレアは当初反対の意向だったが、新安産険側が「兄弟の登山はそれぞれが努力しよう」と説得し、最終的に理解を取り付けたという。

中国は今年3割以上の成長

 業界関係者によると、昨年の中国の損保市場の規模は約6,000億元で、台湾の1,154億元の5.2倍に上っている。また、中国保険監督管理委員会によると、今年1~9月の損保市場の成長率は昨年同期比で30%以上に上っており、高度成長を遂げる市場の魅力は大きい。

 一方、台湾では自動車保険は飽和状態で、今年は自動車市場が縮小。各社は契約の継続率を高めることに努力しているような状態とされる。