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右側通行は危険?!交通部が是正へ


ニュース 社会 作成日:2012年1月31日_記事番号:T00035069

右側通行は危険?!交通部が是正へ

 交通事故で、歩行者と車両の進行方向が同じ場合と逆の場合では、事故率に大きな差があることをご存じだろうか?

 交通部が逢甲大学に委託して行った研究によると、2007年~09年に省道で発生した人身事故のうち、歩行者と車両の進行方向が同じだったケースは全体の23%で、逆方向だったケースは4%。都市部の道路での事故では、同方向が19%、逆方向が5%だった。

 歩行者と車両が同じ方向に向いて進んでいる場合、歩行者は振りむいて見たり、耳で音を聞いたりして、車の接近を察知するしかない。そのため、両者が逆方向に向かい合う形で進む場合よりも、事故発生率がはるかに高く、省道では約6倍、都市部の道路でも約4倍という結果となっている。

 海外における研究でも、歩行者と車両は逆方向に進むほうが、事故が発生しにくいという結果が出ており、先進諸国の中には、歩行者と車両の進行方向を逆向きにすることを法律で規定している国もある。

 台湾では車両は右側通行。歩行者も右側通行の習慣があることから、事故率を引き下げるため、交通部は歩行者の「右側通行」を改めるよう呼びかけることに決めた。

 実は、台湾の「道路交通安全規則」では、歩行者は「端のほうを歩く」と規定されているだけで右側通行の規定はない。しかし、交通部と教育部が小学生向けに作成する補助教材「交通安全教学手冊」が1980年版で「右側通行をしましょう」と呼びかけたことがきっかけとなり、今では歩行者の右側通行がすっかり習慣化している。

 交通部では、一方通行や歩道のない道路も多いという道路事情を鑑み、法改正による強制は視野に入れず、学校やメディアを通じて右側通行を改めるよう、宣伝・指導する方針だ。

 とはいえ、交通事故防止の最善の方法は、人も車も信号や標識など交通規則を守ることだろう。歩行者は歩きながらの携帯電話の使用を避けることも重要だ。