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作成日:2007年11月2日_記事番号:T00003510
国民党の「統一」文言削除、連戦名誉主席が批判声明
国民党中央常務委員会が、来年度の政策文書から「国家統一綱領」と「1992年の共通認識」(92共識、「一つの中国、それぞれの解釈」のいわゆる「中台合意」)に基づく中台統一路線を示す文言の削除を決めたことについて、同党の連戦名誉主席は「大変驚きだ。とんでもない誤りで理解できない」とする声明を発表した。2日付聯合報が伝えた。
連名誉主席は「選挙戦に勝つために主張を放棄すれば、民進党とどう違うのか」と疑問を呈した上で、「92共識の削除が、台湾を愛することで、票の開拓につながると考えているならば、それは誤っている」と述べ、むしろ国民党支持層の反発を招きかねないと危機感をあらわにした。
これに対し、文言修正を主導したとされる同党総統候補の馬英九氏は連名誉主席に直接電話をかけ、「両岸(中台)政策に関する主張に変更はない」と理解を求めた。
馬氏はまた、今回の文言修正について、「驚くことではない。党章(党憲章)や政治綱領に変わりはない」と述べ、火消しに努めた。
?? 国民党は本省人票の切り崩しを図りたい馬氏の思惑に従い、あえて「統一」色を薄める選挙戦略に出た。しかし、同党にとっては中台統一を目指す長年の主張、原則を曲げることになり、ひいては党の存在意義にもかかわる問題だけに、党内に不協和音を生む危険な賭けと言えそうだ。