ニュース 電子 作成日:2012年2月3日_記事番号:T00035176
液晶パネル大手、友達光電(AUO)は2日、有機EL(OLED)分野で出光興産と戦略提携を結んだと発表した。出光興産よりデバイス構成を含む高機能OLED材料、関連特許の提供を受け、OLEDパネル製品の開発に取り組む。戦略提携について証券会社は、AUOが今後アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルに取り組む上で大きなプラスになると評価した。3日付工商時報などが報じた。
台湾液晶パネルメーカーは、OLED分野では、現段階で韓国メーカーに1〜2年の後れを取っている。AUOは出光との提携により、製品開発時間の短縮や、材料や特許の不足を補うメリットが期待できる。
AUOは現在、3.5世代生産ラインでOLEDパネルの開発と生産を行っており、宏達国際電子(HTC)やノキアなど、複数の携帯電話メーカーが製品の認証中で、下半期に量産に入れる可能性がある。また、シンガポールでも4.5世代低温ポリシリコン(LTPS)TFTパネルの生産ラインを構えており、AMOLEDパネルの生産への転用を計画している。
彭双浪・AUO総経理は出光との提携について、「ディスプレイ産業の世界的な競争が激化する中、1社単独で戦うことは困難になっており、相互補完的な提携を求めることが現在進行中の目標だ」と述べ、さらに「出光は米UDCと並ぶOLED材料の2強で、提携は当社のOLED事業の長期的展開にとってメリットが少なくない」とコメントした。
韓国勢、今年有機ELテレビ投入へ
韓国メーカーはサムスン電子が既に5.5世代ラインでAMOLEDパネルの量産に入っており、LGディスプレイ(LGD)も昨年、第8世代AMOLED生産ラインへの投資を発表している。両社とも今年、AMOLEDパネルテレビの投入を予定しており、同パネルの量産実績がなく、先端材料、設備、特許を欠いた台湾パネルメーカーは焦りを感じていた。日本メーカーは材料、技術開発の基礎力を持つものの、リスクを冒す投資は厳しい。AUOにとっては材料・特許の強化、出光にとっては量産化の実現と、今回の提携は双方にとって恩恵があると言える。
出光は2007年に静岡県御前崎市でOLED材料の生産を開始するなど、近年OLEDサプライチェーンの強化に取り組んできた。なおAUOは、今後OLED以外の他の分野でも、出光との提携の可能性を検討したいとしている。
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