ニュース 社会 作成日:2012年2月6日_記事番号:T00035204
液晶テレビやデジタルフォトフレームなどを製造する中堅電子メーカー、憶声電子(アクション・エレクトロニクス)が最近放送しているテレビCMに、「恥知らず」「思いやりがない」といった批判の声が殺到している。
CMでは、黒のタートルネックにジーンズの細身の中年男性が舞台に立ち、アクションのタブレットパソコン「Action Pad」のプレゼンテーションを行う。そう、昨年10月に死去したアップル創業者で元CEO(最高経営責任者)、故スティーブ・ジョブズ氏の物まねなのだ。しかも頭上には白い輪、背中には羽を付けて天使の格好をしており、ジョブズ氏があの世から舞い戻って他社のタブレットPCを宣伝するという設定なのだ。
CMは放送されるが否やインターネットを通じて世界中で視聴され、海外メディアから非難の声が挙がった。「Action Pad」はアップルのライバル、グーグルのアンドロイドOSを搭載している。ジョブス氏を演じた台湾の芸能人、阿Kenはそれを手にして「電子辞書を備えた画期的な端末」と絶賛するのだ。ジョブス氏はかつて、「アンドロイドをつぶすためならアップルの預金400億米ドルすべてを投げ打っても構わない」と語っていたことは有名で、米メディアは「ライバルの宣伝道具にされるとは、もし彼が墓の下で知ったら憤慨するだろう」「亡くなって間もないのにネタにされた」などと、アクション社は非常識だとやり玉に挙げた。海外のネットユーザーからは「アクションに制裁を加えるべきだ」といった意見も出ている。
一方台湾では、単なる商業広告にすぎず、「米国人がジョブズ氏を神のようにあがめるのは勝手だが、なぜ台湾まで同調しなければならないのか」と反論する声もある。当のアクションは、「これは単なる芸能人の物まね。それにわれわれがアンドロイドを使用するのはiOSが使えないから。他に選択肢がない」と、やんわりアップル社を批判しつつ広告の正当性を訴えている。なお、アップル社は、同CMの放送を禁止するよう求めた。
アクションのセンスには首をかしげざるを得ないが、知名度が高くない企業だけに、「目立つが勝ち」といったところか。
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