ニュース 電子 作成日:2012年2月7日_記事番号:T00035256
スマートフォン台湾最大手、宏達国際電子(HTC)は6日の業績説明会で、今年第1四半期は前期比3割以上の減収になるとの見通しを表明した。HTCは「新旧機種交代期の一時的な現象」と説明したが、アップルとサムスン電子との競争の結果、業績悪化に見舞われた形で、戦略の練り直しが必要との指摘が出ている。自社ブランド機種投入以来で初の厳しい試練に直面している。7日付中国時報などが報じた。
HTCが6日発表した第1四半期連結売上高見通しは650億~700億台湾元(約1,700億~1,800億円)だ。これは前期比30~35%の減収に当たり、過去6四半期で最も低い。粗利益率の予測値25%は、2005年第4四半期以来、営業利益率の予測値7.5%は03年以来で最低。外資系証券会社からは「ひどいとしか言いようがない」との声が多数聞かれた。
HTC反論、「一時的な現象」
容覚生HTC財務長は、昨年第4四半期は第4世代(4G)通信規格、LTE対応スマートフォンなどハイエンド製品の売れ行きが予想ほど良くなかったと説明した。ただ、昨年第4四半期と今年第1四半期の業績は新旧製品入替時期、ユーロ安など一時的な要因による異常な状況と判断しており、新製品の投入後、すぐ改善すると強調した。
これに対し、資訊工業策進会産業情報研究所(MIC)の詹文男所長は、HTCのライバルのうち、アップルはユーザーインターフェースが秀でている上、ソフトとハードの融合性が高く、抜きん出ていると絶賛。サムスン電子は幅広い垂直統合を実現し、コストと技術でリードしていると評価した。一方で、HTCはアップルに仕掛けられた特許訴訟で不利に立たされ、多機種を次々に投入する従来の戦略を見直す必要があると提言した。
中国市場、救世主になるか
苦境に立たされるHTCが期待を寄せるのが中国市場だ。容財務長は、中国で新浪網などと提携して昨年末までに2,000以上の販売拠点を設け、前年の2倍の成長を果たしたと指摘。今年は現地通信キャリアとの提携を強化すると説明した。
150米ドルの低価格機種を発売するとの観測に対しては、大衆向け市場を手放すことはないが、セグメンテーション(市場の細分化)を考慮し、単なる低価格競争はあり得ないと強調した。
1月売上高、前年比5割減
HTCの今年1月の連結売上高は前月比37%減、前年同月比52%減の166億1,500万元だった。
昨年第4四半期連結売上高は前期比25%減、前年同期比2.4%減の1,014億2,000万元で、純利益は前期比41%減、前年同期比26%減の109億4,000万元だった。粗利益率は27.1%、営業利益率は12.7%で、低下は新旧製品の入れ替わる時期だったためと説明した。
昨年通年では連結売上高が前年比67%増の4,657億9,000万元、純利益が同56%増の619億8,000万元、粗利益率は28.3%、営業利益率は14.7%だった。
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