ニュース 電子 作成日:2012年2月10日_記事番号:T00035341
メモリー業界は第1四半期、韓国サムスン電子を除き軒並み赤字に陥る恐れがある。2005年から利益を死守してきた旺宏電子(マクロニクス・インターナショナル)さえ営業損失を出す見通しで、台湾メーカー全社が赤字となれば約6年ぶりの非常事態だ。生き残りをかけ、NAND型フラッシュメモリーへの参入表明が相次いでいる。10日付電子時報が報じた。
蔡篤恭パワーテック董事長は顧客のエルピーダメモリの経営危機に関し、日本政府も提携メーカーも消滅を望んでおらず、今後も存続できるとの見方を示した(9日=中央社)
台湾メモリー業界では、昨年初頭のDRAM相場下落が打撃となり、力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)、南亜科技(ナンヤ・テクノロジー)、華亜科技(イノテラ・メモリーズ)で赤字が続いている。財務体質が良好だった瑞晶電子(レックスチップ・エレクトロニクス)、DRAMのほかフラッシュメモリーなども手掛ける華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)も昨年第3四半期に赤字に転落した。
下半期までの踏ん張り
マクロニクスは、第1四半期にNOR型フラッシュメモリー価格の10%続落やROM売上高の60%減少が予想されるほか、2010年にDRAM大手の茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)から買収した新竹科学工業園区(竹科)12インチウエハー工場の減価償却費が足を引っ張る見通しだ。盧志遠総経理は、今年第1~2四半期は最も辛い時期になるが、第3四半期にはROMの需要期に入る上、NOR型フラッシュメモリー需要も徐々に回復すると予測。通年では利益を出すと強調した。
同社は9日、NAND型フラッシュメモリーを製品ラインナップに加えると宣言した。第1四半期にSLC(シングルレベルセル)タイプの試験生産を始め、下半期に量産する計画だ。昨年の売上高構成比は、▽NOR型フラッシュメモリー、55%▽ROM、37%▽ファウンドリー、8%──だった。
NAND型フラッシュメモリー市場への参入は、パワーチップ、ウィンボンドに続くものだ。両社はサムスン電子や東芝が主力とする大容量のNAND型フラッシュメモリーでなく、テレビ、セットトップボックス(STB)、デジタルカメラなど消費者向け電子製品用をターゲットにする戦略だ。
DRAM需要回復、「Q2にも」
一方、半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、力成科技(パワーテック・テクノロジー)の蔡篤恭董事長は、昨年DRAM業界は供給過剰やタイ大洪水の影響による需要減に直面したが、最もひどい時期は乗り越えたと指摘した。パソコン業界でハードディスクドライブ(HDD)供給不足が解消し、川上の部品生産が正常化したことが好材料になると分析。DRAM需要はまだ戻っていないものの供給も増えておらず、第2~3四半期には需要が供給を上回ると予測した。
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