ニュース 社会 作成日:2012年2月13日_記事番号:T00035343
台北市で耳鼻咽喉科の診療所を営む医師の紀乃霖さん(52)は、声帯結節(のどに「たこ」ができる病気)の治療のため声が出せないと主張し、筆談で診療を行っているが、これに対し「診療が手抜きだ」などと、各所で批判の声が上がっている。しかし、衛生署によれば医療法規的に違反ではないらしい。耳鼻咽喉科の医師がのどの病気で声が出ないとは、いったいどんな事情なのか。
声帯結節とは声帯に「たこ」、つまり慢性的な腫瘤ができる病気で、歌手、教師、セールス業者といった声帯を酷使する職業の人がなりやすい。風邪で声帯が炎症を起こしている時に、大声を出したり、タバコや酒で炎症を悪化させた場合にも発症する。紀医師はこの声帯結節を患っており、2年間のどを休ませなければ完治しないと主張、2年前から口をきかなくなった。
ある新聞記者が身分を隠して診察を受けたところ、診療所スタッフは「医師はのどの調子が悪く話ができません。筆談でもよければどうぞ」と説明した。診療中、医師が紙に書いたのは「冷たいもの、辛いもの禁止」といった簡潔なアドバイス。「鼻のアレルギーは手術で根治できますか?」とたずねると、「あきらめろ。騙されて失望するだけ」とこれまた冷たい文字が。さらに「なぜ話さないのですか?」と聞くと、笑いながら「私にかまうな」と一筆。最後に記者が身分を明かすと、取材は断り、スタッフを通じて「ご心配ありがとう」とだけ伝えた。
紀医師の診療に対しある医師は、「インチキ医者だ。それほど病状が重いなら、なぜ休業して治療に専念しないのか?」と酷評。筆談では情報を書き切れず、患者が病状をよく理解できない恐れがあると指摘した。別の医師も、「声帯結節は急性なら2週間、長くても半年気をつければ十分。2年間は大げさ」と批判的だ。台北市衛生局は今週にも調査員を派遣し、診察に悪影響があるようなら指導する方針だという。
患者の中には「紀医師はユーモアがあって面白い。筆談で十分だ」という人もいて、人柄が人気なのか、完全に信頼を失っているわけではなさそうだ。「医者の不摂生」とは昔からよく言われるが、耳鼻咽喉科の医師が自分ののどをちゃんと治せないのであれば、やはり信頼にかかわるのではないか。
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