ニュース 社会 作成日:2012年2月13日_記事番号:T00035369
台北市内で日本人男性がタクシー運転手を暴行し大けがをさせた事件で10日、台北地検は東京でバーなどを経営する友寄隆輝容疑者(34歳)と、友人の日台ハーフタレント、Makiyo(本名・川島茉樹代、27歳)容疑者を重傷害罪で起訴し、それぞれ6年、4年を求刑した。同事件は社会的に大きな注目を集めており、一部に日本や日本人への反感も生じる中、台北市在住の吉田直嗣氏(34歳)がこのほどインターネット上で在台日本人に対し被害者への見舞金募金を呼びかけたところ、企業駐在員など約50人から約10万台湾元(約26万円)が集まった。
募金呼びかけを行った吉田直嗣氏。八田與一文化芸術基金会の監察人を務める(12日=中央社)
吉田氏は7日、自身のフェイスブック掲示板に「同じ日本人として非常に恥ずかしく、被害者のご家族と台湾の皆さんに申し訳ない気持ちでいっぱい」と書き込み、「日本人有志一同からのおわびとお見舞いとして被害者のご家族に届けたい」として在台日本人に募金を呼び掛けた。
また台湾メディアの取材に対し、「すべての日本人が友寄被告と同じではないことを分かってほしい」と語ったほか、メディアの前で4分間の土下座を行った友寄被告に対しては「いかにして被害者への罪を償うかを考えるべきで、謝罪や土下座で済む話ではない」と批判した。
「偽証はMakiyo事務所が主導」
なお、友寄被告とMakiyo被告が記者会見で行った説明が事実に反することが次々と明らかになり厳しい批判を集めたが、友寄被告は10日、テレビ番組のインタビューを受け、「最初の説明はMakiyoの事務所が主導したもの」と語った。これに対し事務所のマネジャー、王宇笙氏は「われわれが明らかにした内容は、彼の供述に基づくもので、間違いがあったとすれば彼がわれわれに話したことにうそがあったということだ」と反論した。ただ、同行者の一人の台湾人タレントも、「本当のことを言いたかったが、事務所に止められた」と発言しているという。
スピード起訴に疑問の声も
一方、3日未明の事件発生からわずか1週間でのスピード起訴に至ったことに対し、ネット上などでは「史上最速記録」と異常さを指摘する声も挙がっているほか、被告に対し同様の事件では最高となる求刑がなされたことに対し、台湾の法曹界では「社会的な声に押された恣意的なもの」と疑問の声も出ている。
台北市の交流協会前では10日、タクシー運転手20人が事件への抗議活動を行った(10日=中央社)
ある検察関係者が匿名で語ったところによると、運転手の被害は手足に障害が残るとなどといった程度には達していないため、中華民国の法律では最高でも「傷害罪」にとどまり、一般人であれば双方に和解を勧めるケースだという。このため検察が重傷害罪「未遂」で起訴に踏み切った背景には、過熱報道により高まった市民の不満を静めたいとの意図が働いたようだ。
また、ある裁判官は、被告は当時酒に酔っていたため、重傷を負わせる犯意があったかどうかを証明することは難しく、最終的には一般的な「傷害罪」に落ち着くとの見方を示した。
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