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野良犬だらけの大学キャンパス、一掃か共存か


ニュース 社会 作成日:2012年2月15日_記事番号:T00035399

野良犬だらけの大学キャンパス、一掃か共存か

 指南山のふもとにあり緑豊かな国立政治大学(台北市文山区)では、学生が野良犬にかまれる事故が過去3カ月で10件以上起こり、キャンパス内の野良犬一掃が検討されている。一方で、捕獲された野良犬が安楽死させられるのは忍びないと、会員制交流サイト「フェイスブック」では1,900人以上(15日午後1時半)が反対を表明している。

 政治大学のキャンパス内で生活する野良犬は現在13~15匹。かまれなくとも群れを成していれば近くを通りかかるのもためらわれる。鳴き声を聞いただけで不安という学生もいれば、衛生面の問題もある。大学側が野良犬一掃を検討するのも無理はない。

 政治大学の従来の対処方法は、野良犬を捕獲した後に避妊・去勢手術を施し、元の場所に放すTNR方式だった。しかしこの半年はけが人が相次ぎ、事故の度に台北市動物保護所に捕獲を依頼するように切り替えた。

 一方、捕獲処分はやり過ぎと反対する声も根強い。野良犬は動物保護所に捕獲されれば、9割以上が安楽死処分となるからだ。その上、野良犬といっても、もともと誰かに飼われていた8~9匹も含まれ、避妊・去勢された犬はおとなしい。中華民国保護動物協会の黄慶栄さんは「捕まえて殺処分を繰り返しても、また別の野良犬が大学に侵入するだけできりがない。犬には縄張り意識があるため、凶暴な野良犬だけ排除してみては」と提言した。

 確かに、台湾では夜市(ナイトマーケット)でペットが気軽に購入でき、放し飼いの犬も多い。野良犬化の可能性が高い現状では、校内で共存する犬を選別するという黄さんの方法が現実的なのかもしれない。