ニュース 電子 作成日:2012年2月20日_記事番号:T00035512
昨年は過去最悪の614億台湾元(約1,650億円)の赤字を出した液晶パネル大手、友達光電(AUO)の李焜耀董事長は経済日報のインタビューに答え、「今年は米国の需要回復、中国大陸での大型パネル使用製品の出荷増、液晶テレビ買い替えラッシュが起きることに加え、当社の新技術および付加価値も向上する。ただ利益を上げるには非常に努力が必要で、今年は転機の年となる」と意気込みを語った。20日付同紙が報じた。

今年の景気見通しについて李董事長は、「2〜4月は長期的な受注が戻ってきており、需要も増加、生産ライン稼働率も上昇しているため、今後は月を追って業績が成長する」との見方を示した。
高利益率製品、コスト低減に注力
その上で今年の液晶パネル事業の方針について、3D(3次元)映像対応製品、超高解像度製品(4K2K)といった、新技術を採用した高単価、高利益率製品を液晶テレビ向け以外に、ノートパソコン、27インチ液晶モニター向けにも導入すると語った。
またコストの面では、パネル製造工程と部品の簡素化を進める。部品の規格を統一し、共用できるようにすることで、大量購入によるコスト低減を可能にすると同時に生産効率の向上も狙う。
なお中小型パネルについては、受注規模は大きいが利益は小さいとして消極的な姿勢を示した。ただ李董事長は、「(中小型パネルで)当社はスマートフォン向けを専門的に手がけており、世界の携帯電話上位ブランドにパネルを提供している」と説明。同社の中小型パネル事業は、高単価、高利益率のスマートフォン向けに集中しているため出荷量に減少は見られるものの、売上高は成長していると強調した。
また先ごろ報じられた、アップルが8インチの小型「iPad」を開発しており、AUOなどに同製品向け液晶パネルの試作品を納入させたとの観測について李董事長は、「当社は価格が合理的で生産能力に余裕があれば、いかなる顧客の発注でも受ける」とのみ答えた。
奇美電との合併には否定的
一方、台湾の液晶パネル業界で話題に上っている、AUOと奇美電子(チーメイ・イノルックス)の大手2社による合併について李董事長は、「合併したとしても、台湾の銀行の規模が小さすぎるため、すぐに資金面での困難に直面する」と指摘し、「パネル産業において合併するかしないかは既に問題ではなく、他産業への業務拡大こそが重要だ」と否定的な見方を示した。
その上で、AUOを含む明基友達集団としての今後の方向性として、▽液晶パネル▽発光ダイオード(LED)照明▽太陽エネルギー▽タブレット型PC▽医療器材▽クラウドコンピューティング▽ブランド事業──の7項目を重点事業に掲げた。特にLED照明については、グループ内で川上から川下まで一貫サービスが提供できるため、最高の付加価値を実現できると好感している。
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