ニュース 電子 作成日:2012年2月22日_記事番号:T00035568
タッチパネル大手、宸鴻集団(TPKホールディング)の孫大明総経理は、今年下半期に発売が見込まれるマイクロソフトの新OS(基本ソフト)「ウィンドウズ8(Windows8)」の登場でタッチパネルの応用先が拡大し、新たなチャンスがもたらされると好感。今年はノートパソコン、オールインワン(モニター一体型)PC、デジタルカメラ、自動車、ゲーム機などの分野で顧客の拡大を図る考えを示した。22日付電子時報が報じた。

タッチパネル搭載ノートPCの市場浸透率は2012年が5%、15年でも8%にとどまると予測する市場調査機関もあるが、孫総経理は「ウィンドウズ8登場により、多くの市場にタッチパネルの応用が広がり、革命をもたらす」と強い期待を寄せる。これにより昨年友達光電(AUO)から経営権を取得したタッチセンサーメーカー、達鴻先進科技(CANDO)も今年下半期には黒字転換すると見込む。
これまで垂直統合の推進に注力してきたTPKの昨年第4四半期売上高は、最大顧客が約70%、上位5位顧客が86%(通年では90%)を占めた。しかし今年は応用先の多元化を図ることで、製品を量産供給する顧客数を、現在の30社から40社に増やしたい考えだ。
12年設備投資は半減
なおTPKは今年7月、タッチセンサーとカバーガラス一体型の「タッチ・オン・レンズ(TOL)」製品の量産を開始する。当初計画ではTOL製品の生産能力を小型、中大型で各200万枚を予定していたが、大型は初期50万枚とし、ウィンドウズ8発売後の反応を見て下半期に調整を図る考えだ。
同社はTOLの量産開始により、生産能力拡充計画が一段落を迎えるため、今年の設備投資は、昨年の262億6,000万台湾元の半分以下となる120億元(約320億円)へ削減する考えだ。
昨年Q4、粗利益率3.4ポイント低下
昨年第4四半期の連結売上高は454億8,000万元で前期比13.6%の増加となった。しかし、粗利益率は13.9%と同3.4ポイント低下、純利益は15億3,000万元と予測を下回った。
利益率低下についてTPKの劉詩亮財務長は、小型製品の出荷比率が前期の64%から73%へ、比較的利益率の低いタッチディスプレイ製品(貼り合わせ加工済み)の出荷比率が同50%から64%に拡大したことや、減価償却費計上、人件費の上昇が影響したと説明した。
なお昨年通年の連結売上高は前年比140.6%増の1,433億7,000万元。粗利益率16.9%、純利益は同139.3%増の113億4,400万元となった。
今年第1四半期の見通しについては、春節(旧正月)で稼働日が少ないことから前期比10〜13%の減収と予測。ただ、1月を谷底として2〜3月は回復に向かい、営業利益率は前期比1ポイント上昇し、利益は改善すると強調した。
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