台湾版「理想の上司」のアンケート調査で、台塑集団(台湾プラスチックグループ)の創業者、王永慶氏が1位、2位は張忠謀台湾積体電路製造(TSMC)董事長という大物経営者が選ばれた。こうしたアンケートの場合、日本では芸能人やスポーツ選手ばかりが名前を連ねるが、同調査では10人中9人までが企業経営者となった。唯一の例外は6位に入ったモデルの林志玲で、鴻海集団の郭台銘董事長を上回った。5日付自由時報が報じた。
同アンケートはオンライン求人サイトの「Yes123」が、20歳から40歳までのサラリーパーソンを対象にインターネットで行ったもので、有効回答数は3,867件。回答者の男女比は1対2で女性が多い。
複数回答で選んだ「理想の上司」の支持率は王永慶氏が47.6%で、圧倒的な人気となった。すでに第一線からは引退しているが、「経営の神様」の威光は健在のようだ。2位は張忠謀TSMC董事長で、「Yes123」は両者をそれぞれ「着実型」「プロフェッショナル型」と評している。
3位は他人を励ますタイプというイメージの、カーネギー・トレーニング大中華地区責任者の黒幼龍氏、4位には蒋介石総統のひ孫で橙果設計執行長(CEO)の蒋友柏氏が入った。「アイディア型」の蒋執行長は女性のみのランキングでは3位で、名門の血統で若くてハンサム、事業能力もある点などが評価されたとみられる。5位には「部下に仕事を任せる」 奇美集団の創業者、許文龍氏が入った。
6位の林志玲はランキングの中で唯一女性で、経営者ではないが、優しイメージが好まれたとみられる。以下、郭台銘鴻海集団董事長、曹興誠聯華電子(UMC)董事長、宏碁集団創業者の施振栄氏、誠品書店創業者の呉清友氏と続く。
「上司には男性と女性のどちらがいいか」という質問では、「男性」が57.9%で、「女性」の42.1%を大きく上回った。
「上司の点数」、平均61.9点
アンケートの回答者が上司を「管理能力」「道徳品格」「感情コントロール」など4項目を点数で評価した平均点は61.9点と低めになった。最も高かったのは「専門能力」の68点で、「管理能力」と「感情コントロール」は60点を下回った。
「自分が上司になったら、今の上司よりはよくやる」と考えている人は83.3%で、台湾人サラリーパーソンは一般的に自己評価が高いといえそうだ。しかし、「上司になりたいか」という質問には半数以上がなりたくないという回答で、多くが「上司になって重い責任を負うよりも、昇給した方が良い」と考えていることが分かる。
「コロコロ変わる」は最悪
「最も受け入れられない上司の問題点は?」という質問では、「言うことや決定がよく変わる」が最も多く55.3%、次いで「感情コントロールに問題」(52.5%)、「言行不一致」(43.2%)と続いた。また、「上司と合わず、離職を考えたことがある」という人は23%に上った。