ニュース 社会 作成日:2012年2月24日_記事番号:T00035602
23日正午、いつもなら大勢の学生で賑わう台湾師範大学(台北市大安区)前の食堂街が、この日はほとんどの店がシャッターを閉め、ひっそりと静まり返っていた。

にぎわいが消えてしまうのは寂しいが、住民たちの言い分が正論か。不利を見越して既に他の場所に移転した飲食店も少なくない(23日=中央社)
実はこの食堂街、騒音がひどい、ゴミが散乱しているなど周辺住民からの苦情を受けて台北市が営業停止を含めた改善に乗り出している。
改善に際し、市が問題としているのは、違法な看板類、油煙・騒音など環境・衛生上の問題、さらに建築法における「幅6メートル未満の道路に飲食店を設置してはならない」という消防上の規定だ。つまり、同食堂街の店舗の多くはそもそも出店してはならない場所で営業していたのだ。
市の行動に対し、生計を失うと危機感を募らせる店側は互助組織を結成。邪魔な看板を取り外し、午後10以降は店を閉める。周囲を清潔に保ち、専用機器を取り付けて油煙と排水問題の解決に努めると宣言するなど、自発的な改善に取り組み、住民や政府の温情に訴えている。
その上で23日午後、学生たちや周辺住民に食堂街の存在のありがたさを実感してもらおうと、一斉に営業を停止したわけだ。
これに対し、学生からは「やっぱり不便」「長い間親しまれてきたのだから、政府は何とかいい解決策を考えてほしい」との声が上がった。しかし住民で組織する「自救会」は「法律も守れないのに、自律的に改善できるはずがない」、「営業停止で脅しているつもりだろうが、静かな生活が取り戻せた」と一歩も譲らない。
また現在は「法に基づき対処する」と粛々とした姿勢を見せている市政府だが、過去には観光パンフレットで同エリアを「特色ある飲食エリア」などと紹介した経緯もあり、法律、歴史、住民・業者・学生の思いなどが入り乱れ、すんなり一件落着とは行きそうにないようだ。
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