ニュース 電子 作成日:2012年3月2日_記事番号:T00035707
サムスン電子は1日、台湾でノートパソコン4シリーズ9機種を一挙に発売し、同製品で台湾市場参入を果たした。シェア70%を握る地場ブランドの宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)との正面衝突を避けてミドル・ハイエンド製品を主力とし、アップルを主なライバルと想定する。このためエイサー、ASUSへの影響は大きくないとみられるが、ソニーなど海外ブランドにとっては一定の脅威となりそうだ。2日付経済日報などが報じた。

サムスンは「洗練された最高の製品」のイメージをアピールしている(サムスンリリースより)
サムスンが今回台湾で発売した4シリーズは、▽シリーズ9、4万1,900〜5万8,900台湾元(約11万6,000〜16万2,000円)▽シリーズ7、3万9,900〜4万7,900元▽シリーズ5(ウルトラブック)、3万900〜3万2,900元▽シリーズ3、3万4,900元──。
他のスマート機器とのコンテンツ共有を可能にする「AllShare」機能や、スクリーンのフレーム部分を狭くし、画面部分を広く採れるようにした独自の「Slim Bezel」設計(7、5、3シリーズ)などで消費者に訴える。

ウルトラブックの5シリーズは14インチディスプレイ、1GBグラフィックカード内蔵で、優れたAV対応をうたう(サムスンリリースより)
2007年にノートPC市場へと参入したサムスンの台湾進出が今になった理由について台湾サムスンマーケティング部の余倩梅シニア協理は、「台湾はIT(情報技術)産業の中心地で市場の競争も激しいため参入決定まで2年かかった」と説明した。同社はさらに、「ここ数年、既に欧州や南米などで顕著な成長を見せていること、および今年のノートPC市場を好感していること」を参入決定の理由としている。
現在台湾のノートPC市場は、エイサーとASUSが7割のシェアを占め、海外ブランドでは昨年PC事業の切り離し計画を発表し、その後撤回したヒューレット・パッカード(HP)を抜き聯想集団(レノボ)がトップに立った。今年はHPが巻き返しを図るとみられる上に、サムスンの参入が加わり、海外ブランド間の競争が激化する見通しだ。
コンパルに生産委託か
なおサムスンは今回台湾市場に投入した機種について、「パネル、DRAMを含む75%の部品を内部調達し、設計、組み立てはすべて自社で行い外部委託はしていない」としているが、下半期からは仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、広達電脳(クアンタ・コンピューター)に生産を委託するとの観測も出ている。
またサムスンは今年、ノートPC世界販売台数で前年比20%増の1,700万台を目標としているとされる。ただ同社の中国・蘇州工場は生産能力が1,700万台と逼迫(ひっぱく)が見込まれ、既に少量をコンパルに委託しているとの観測もある。委託しているのは主にローエンド製品で数量は100万台以下とされる。
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