ミシン生産の伸興工業は２日、ベトナム新工場設立に900億米ドルを投じて、同地での生産能力拡大する計画を明らかにした。８月にも８万平方メートルの土地を取得する予定で、取得後すぐに着工、来年第３四半期の稼動を目指す。新工場稼動後、ベトナムでのミシン年産能力は現在の50万台から160万台へ拡大が見込まれる。３日付経済日報が伝えた。
林志誠・同社董事長は、ベトナムで大幅に生産能力を拡充する理由について、中国では人民元高や人件費上昇によりコストが増加しているが、ベトナムでは欧州への輸出関税に優遇があるほか、生産コストも低いためと説明した。
伸興工業は第１四半期に前年同期比10％増の50万台のミシンを受注した。林董事長は、今年の世界ミシン市場は小幅成長が見込めるとし、そのうち東欧やロシアが大きな伸びを見せると予測。同社は下半期から東欧やロシアのミシンブランド向けに少量ながら出荷を開始する予定だ。
伸興工業の昨年通年の連結売上高は、前年比6.5％増の47億5,000万台湾元（約132億円）、純利益は同3.58％増の６億700万元でともに過去最高を記録した。ただ、原材料コストや中国での人件費が上昇したなどから粗利益率は同３ポイント低下した。
