ニュース 社会 作成日:2012年3月5日_記事番号:T00035733
肉円(台湾語で「バーワン」)といえば、台湾B級グルメの代表格。プリプリとした皮の歯ごたえと甘辛い肉の餡(あん)が絶妙にマッチした、昔ながらの庶民の味だ。台湾各地に有名な肉円店があり、それぞれに材料や形など特色があるが、中でも新竹の老舗「林家肉円」の人気はひときわ高い。多いときは1日に2,000個が売れるそうだ。この店、味の良さはさることながら、一風変わった経営システムで知られる。
「林家肉円」の店主は交代制を採っている。通常、店主は1人で十分だが、店の創始者、故・林天さんが引退する際、跡継ぎ問題でもめごとが起きるのを防ぐため、このシステムの導入を決めた。
当時、跡継ぎ候補として、10人の子供のうち跡を継ぎたがらない息子と娘を除いた次男の清土さん、三男の清金さん、四男の清標さんの3人が残った。そこで先代は3人平等に跡を継がせることにしたのだ。
交代は1年ごとで、1人が店主として店を切り盛り、1人が厨房係、1人は月3万台湾元をもらって1年間休む、というもの。どんなに仲が良い家族でも金銭が絡むともめることが多いが、これなら誰からも文句が出ないと考えたのだろうか。
果たして林天さんの希望通り、商売は今も変わらず繁盛している。ちなみに清金さんは後日経営から外れ、清標さんの息子である林銘祥さんがその権利を買い取ったため、現在は清土さんの娘たち4姉妹が1年間、銘祥さんが2年間というルールで三代目に突入している。
ちなみに各店主が作る肉円は微妙に味が異なり、好みの違う常連客の間では評価が分かれるらしい。こんな裏話があると知ったら、ぜひともそれぞれの味を食べたみたいものだ。
家族経営でもうかって有名になったはいいけれど、財産争いや跡継ぎ問題でもめる店が多い中、平和に財産分与ができている例は珍しい。まさに先人の知恵といえよう。
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