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求人9カ月ぶり増加、サービス業で顕著


ニュース その他分野 作成日:2012年3月7日_記事番号:T00035813

求人9カ月ぶり増加、サービス業で顕著

  1111人力銀行の統計によると、前月まで8カ月連続で減少していた求人数が2月、27万5,000件(正規雇用)と9カ月ぶりの回復を見せた。馬英九政権の続投が決まり不確定要素が減ったことから、就業市場が再始動したことがうかがえる。特にサービス業は調査開始以来の最高を記録する需要の高さを見せており、中国人をはじめとする外国人観光客の増加や1月の飲食業売上高が1999年以来の最高を記録するなど台湾内需市場の好調が背景となり、就業市場に活力をもたらしている。7日付蘋果日報などが報じた。

 1111人力銀行の統計では、「民生・サービス業」および「百貨・販売業」の2月求人数は7万6,000件と統計開始以来の単月過去最高を記録、突出した需要の高さを示した。さらにサービス業の求人のうち、「飲食サービス」、「美容・理髪」、「百貨・販売」が全体の約8割を占めた。

7月開業のオークラが人材募集

 なお1111人力銀行の何啓聖・広報総監によると、台湾のサービス業では近年、住民の生活水準が上がったことに伴って、サービス品質の向上が求められるようになり、企業も従業員教育への投資を積極的に行っている。さらに、これに伴う台湾人人材の質向上や内需市場の好調を好感し、海外の高級観光ホテルによる台湾進出が相次いでいる。日本のオークラホテルズ&リゾーツも現在、台北市中山区における「オークラ プレステージ台北」の7月開業に向け、客室サービス係、厨房要員など計120人の募集を行っており、500人から応募があるという。

 また、不動産業市場が縮小している現状から、不動産仲介業は求職者が減るとの見通しが出ていたが、業界大手の信義房屋および永慶房屋では今年に入り2,000〜3,000件の応募があり、予想に反して前期比増となっている。信義房屋によると求職者の7割以上がハイテク、金融、飲食業界からの転職組だという。同社は今後、採用活動を拡大する予定で、3月から就職説明会を全土で毎週開催する。

「求人意欲強いとは言えない」

 一方、行政院労工委員会(労委会)が従業員30人以上の企業3,097社に行ったアンケート調査(1月30日〜2月10日に実施)でも、1月末時点と比べた4月末の雇用者純増数は5万5,153人との予測が示されており、前回調査(10月末〜1月末)の4万8,200人純増から14.4%の成長が見られた。

 ただ依然、過去2年で2番目の低成長見通しで、昨年同期(8万3,612人純増)を大幅に下回っており、労委会は、総統選挙が終わり不確定要素がなくなったこと、欧州債務危機にさらなる悪化が見られないことから企業の求人意欲は上向いているが、見通しは依然悪いことからそれほど積極的ではないと指摘した。

 今回の調査結果によると、回答した企業の30.92%が「4月末時点で雇用者が増える」と答え、59.22%が「変わらない」、4.57%が「減る」と答えた。また「雇用者が増える」と回答した企業の理由としては「離職者分を補充するため」が37.29%と最大で、これに「市場の需要が増えているため」の33.20%が続いた。

【表】