ニュース その他分野 作成日:2012年3月9日_記事番号:T00035871
イラン情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰はギリシャ債務危機に代わる世界経済最大の懸念事項で、物価など台湾経済に影響を及ぼすとの報告が8日、経済建設委員会(経建会)から行政院に対し行われた。国際原油価格指標は年初来で16.3%上昇した。石素梅・主計総処主計長も、原油高に加え、中国の経済成長率予測引き下げなどマイナス要因浮上を認めた。台湾の今年の成長率予測値は現在3.85%だが、4月末に下方修正を迫られそうだ。9日付工商時報などが報じた。

蔡得勝・国家安全局長は8日、国際原油価格がさらに高騰すれば、エネルギー資源の9割以上を輸入に頼る台湾は危機に陥ると指摘した(8日=中央社)
石・主計長は台湾の経済成長率が原油価格10%上昇で0.26ポイント、中国の経済成長率0.6ポイント引き下げで0.3ポイント押し下げられるとの試算を示した。
陳沖行政院長は国際原油価格、欧米景気などの不確定要素に加え、中国が今年の経済成長率の目標を8.1%から7.5%に下方修正したこともあり、台湾経済への影響を考慮した対策を採る必要があると表明した。
1バレル140ドルに高騰も
蔡得勝・国家安全局長は、イラン情勢が安定しなければ国際原油価格は1バレル140米ドル以上まで高騰するとの予測を示した。台湾の採用する国際原油価格指標はドバイ原油70%、ブレント原油30%で計算され、8日までの週平均は1バレル122.98米ドル。
尹啓銘・経建会主任委員も、原油は世界経済の好転で需要が増加し、今後も価格上昇が続くとの見方を示した。また、2010年12月に導入された、国際原油価格指標上昇の半分しか台湾のガソリン類小売価格に反映させない抑制策、および春節(旧正月)の3週連続価格凍結で、オクタン価95無鉛ガソリン価格は2.9%しか上昇していないと指摘した。
CPCと台塑石化が悲鳴
値上げ相当分の半分を吸収している台湾中油(CPC)は、今年1~2月の損失が120億台湾元(約330億円)を上回った。同社幹部は、政府は価格抑制策を当面打ち切らないとの見方で、このままでは年間800億元の赤字となり、資本金1,300億元に迫ると危機感を募らせた。
台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)はガソリンなど石油製品の台湾販売で、自社で吸収したコストは昨年約100億元だったと明かした。今年は月13億~14億元に増えており、状況が変わらなければ通年で150億元の負担を強いられると懸念している。
一方、航空燃油価格が1バレル当たり134米ドルへと年初来で9.84%上昇する中、中華航空(チャイナエアライン)は貨物機2機の使用を一時中止し、ロンドン線の運航を25日から停止する。これにより燃油使用量を月150万バレルから136万5,000バレルへと9%削減でき、1カ月当たりの支出を5億4,300万元抑制できると見込む。
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