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日台が野球で震災復興支援、「台湾ありがとう」を伝える


ニュース 社会 作成日:2012年3月12日_記事番号:T00035876

日台が野球で震災復興支援、「台湾ありがとう」を伝える

  東日本大震災から1年。先週末、日本のみならず世界各地で追悼式典が行われ、犠牲者への祈りが捧げられた中、東京ドームではプロ野球の日台代表チームによるチャリティーゲームが開催された。シーズン開幕直前の忙しい時期にもかかわらず日本側の要請に快く応じた台湾選抜チームと日本代表が対戦し、招待された被災者や、台湾人ファンを含む3万5,500人が観戦した。


日台双方の旗を掲げ応援した観客もいた(10日=中央社)

 この日の演出は特別だった。まず、大きく「友」と書かれた旗がグラウンドに登場。そして日本代表の新井貴浩選手(阪神)によって「日本を元気にするためにこの試合に臨んでいただいた」と台湾チームへの感謝が述べられると、会場全体から盛大な拍手と歓声がわき起こった。

 また始球式では、被災地から野球少年の加藤翔吾くん(小5)が招かれ、投手を務めたほか、バックスクリーンには地震発生当時の映像と台湾の積極的な支援の様子が映し出され、「日本は未曾有(みぞう)の災害を経験しましたが、台湾をはじめ世界の人々の愛に支えていただいたことに深く感謝します」という意の中国語字幕が付けられた。この映像は多くの観客を感動させたという。また場内には被災各地の名産品を販売するブースも設けられた。

 試合中のアナウンスも中国語でも行われ、台湾の選手名が呼ばれるたびに大きな声援が送られるなど友好的なムードにあふれていた。台湾の青天白日満地紅旗や「謝謝、台湾」と書かれた手作りボードを持って応援する観客の姿もあった。

 試合は9対2で日本が勝利したが、台湾チームの羅コーチは「日本チームは強かったが、この試合に復興支援という特別な意味がある以上、全力を尽くした」と述べた。台湾側にとっては、13年前の台湾大地震の際、イチローなど有名選手が台湾でチャリティー試合を行ったことに対する「恩返し」の意味もあったのだろう。

 官民から200億円以上という莫大な義援金を贈られたにもかかわらず、国としては表立って台湾に感謝を示すことができなかった日本。こうして野球を通じた民間交流が行われ、直接、感謝の気持ちを表せたことには大きな意義があったと言えるだろう。日本と台湾の絆を深める貴重な試合だった。