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謝謝台湾!震災支援で深まる日台の絆


ニュース 社会 作成日:2012年3月12日_記事番号:T00035898

謝謝台湾!震災支援で深まる日台の絆

 東日本大震災から1年を迎えた3月11日、200億円を上回る世界最高額の義援金をはじめとした、台湾からの過去1年の震災支援に、日本人による官民挙げての感謝表明が相次いだ。戦後最大の国難において、震災被害に心を痛め支援に尽力する台湾の存在が日本の一般市民に広く知れ渡り、かけがえのない「隣国」として絆が深まったことは日台双方にとって大きな財産となった。


「今は元気です。台湾、ありがとう」と題した感謝CMは、被災者たちの復興に向けた前向きな姿を繰り返し伝えている(10日=中央社)

 日本側の窓口機関、交流協会は、台湾大手各紙の一面に感謝広告を掲載。また主要テレビ局で感謝を伝えるCM放映を開始した。これらは世界で台湾のみの取り組みで、台湾の支援のおかげで元気になったという被災地住民のメッセージを伝えている。同CMはインターネットの動画共有サイト「YouTube」、都市交通システム(MRT)のモニターなどでも放映する(日本311東日本大震災滿1年 感謝篇 http://www.youtube.com/watch?v=rB36inEK__s)。

 また、11日午後7時からは、日台共同制作の特別テレビ番組『元気日本謝謝台湾』を中天娯楽台で放映した。12日午後7時からは台北市の国賓大飯店(アンバサダー・ホテル)で、「追悼・復興レセプション」を開催し、今井正所長が台湾各界に感謝を伝える。馬英九総統や関連部会の代表者、レスキュー隊や民間団体など600人近くが招待されている。

 交流協会は16日と23日には映画の上映会も開催し、ドキュメンタリー映画『がんばっぺフラガール!~フクシマに生きる。彼女たちのいま~』、震災被害を受けた千葉県浦安市の市政30周年記念映画『カルテット』を上映する(入場無料)。

 日本政府も野田佳彦首相が、中央通訊社に寄稿する形で「台湾および国際社会の支援と協力を決して忘れない」と謝意を表明した。

 日本政府は昨年、米国や中国、韓国など7カ国の大手紙に謝意広告を掲載したが台湾は見送り、批判を浴びた経緯がある。震災発生1年での盛大な感謝表明には、昨年の失敗をばん回する意図があるのかもしれない。

瀬上剛さん、「兄弟の気持ちを」

 民間による震災関連イベントも、台湾各地で多数開催された。

 交流協会などの賛助を受け、新北市淡水区では折り鶴で感謝を示すイベントが行われた。発起人の日本人留学生、東洋大学経済学部3年生、古堅一希(ふるげん・かずき)さんは企画の経緯について、日本政府が震災発生直後に台湾への感謝を公式表明できなかったためと説明した。


折り鶴イベントでは日本人、台湾人のメッセージ1,000羽以上が集まった(11日=中央社)

 イベントに参加した在台26年のタレント、瀬上剛さんは、大きな声で支援に感謝を述べることが大切と強調した。「台湾人は老いも若きも日本を兄弟姉妹のように考えているが、日本の若者はこうした気持ちを失っている」と指摘。震災関連イベントを契機に、日台関係がもっと良くなってほしいと語った。

 台北市では、名古屋市の環境団体「NGOアース」が清掃ボランティアを行った。228和平紀念公園から西門町までを、戦隊ヒーロー「ゴミ拾いレンジャー」の格好で、ごみやタバコの吸い殻を拾いながら練り歩き、道行く人々の注目を集めた。

 ウルトラマラソン選手の関家良一さんは震災支援の返礼にと、13日間かけて台湾一周、1,071キロメートルを走り抜き、11日に完走した。