ニュース 電子 作成日:2012年3月13日_記事番号:T00035926
宏碁(エイサー)の翁建仁・世界総裁は12日、年内にパソコン市場でシェア3位の座を取り戻すと目標を掲げた。昨年は欧州の販路の在庫過剰で赤字に陥り、世界シェア4位に転落した。翁世界総裁は欧州の在庫調整が一段落ついたため、今年第1四半期も前期に続きシェアが拡大するとみており、長期的には首位を目標に据える。13日付工商時報などが報じた。

翁世界総裁は、地場ブランドがなく各社が同じ土俵に立てる欧州市場で、販路が整備されているエイサーは有利で、同地の経済情勢は良くないが手放す気はないと強調した。
翁世界総裁は先日、欧州市場でのシェアは22%から25~28%に回復すると見通しを示している。オリバー・アーレンス泛欧州営運総部総経理は独ハノーバーで6日開幕した情報通信技術(ICT)国際見本市「CeBIT(セビット)」で、欧州を含む担当地区は第1四半期に黒字転換を果たし、エイサー全体としても同期は利益が見込めると語った。
市場調査機関ガートナーの統計によると、エイサーのPC世界シェアは昨年第3四半期が10.4%、第4四半期には10.8%で拡大に転じた。
中国賃金引き上げ、アップル・鴻海以上
エイサーが12日発表した2月売上高は375億4,000万台湾元(約1,050億円)で、前月比38.9%の大幅増収となった。エイサーの受託生産の主力、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)も前月比32.7%増の580億7,900万元で、同業他社を上回る成長率だった。
翁世界総裁は、エイサーは企業の社会的責任(CSR)を重視しており生産委託の代金を昨年2回にわたり引き上げたと語った。アップルより上を行くが、上げ幅は明かせないと話した。また、生産を委託するパートナー企業のコンパル、緯創資通(ウィストロン)も昨年、中国の労働者の賃金水準を引き上げたと語った。自殺者が相次いで搾取工場と叩かれ、基本給を16~25%引き上げた鴻海科技集団(フォックスコン)よりも先を行くという。
エイサーは3月20日に提携パートナーを招いて開催するCSRフォーラムで、▽リサイクル▽エコロジー製品▽温室効果ガス排出量削減▽情報公開▽人権──について討論する。既に取引先とリサイクルできる部品の利用について協議を始めた。早ければ第4四半期にも環境保護を考慮した製造工程による製品を発売する。
このほか、超軽量薄型ノートPC「ウルトラブック」ブームを受け、2013年末にはウルトラ・ネットブック(低価格ノートPC)投入を計画している。
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