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駅鉄橋にあふれる「誓いの鍵」、反対運動で撤去免れる


ニュース 社会 作成日:2012年3月14日_記事番号:T00035927

駅鉄橋にあふれる「誓いの鍵」、反対運動で撤去免れる

 台湾鉄路(台鉄)の豊原駅(台中市)に「情鎖橋」と呼ばれる鉄橋がある。約10年前から、一部の人々やカップルの間で「鍵をかけると願いがかなう」とのうわさが広まり、金網に南京錠が無数に掛けられている名物鉄橋だ。泥棒に盗まれたり清掃隊に片付けられたりしながらも鍵はどんどん増えていき、今では1,000個以上に。来年、鉄道の高架化に伴い取り壊される予定だったが、「思い出を消さないで!」という人々の反対運動によって移設・保存されることが決定した。

 なぜ駅の鉄橋に鍵をかければ願いがかなうのか?理由はさだかではないが、電車が走るときに強烈な磁場が発生するため、そのエネルギーが願いの成就を助けてくれるという理屈らしい。

 鍵の大きさや形はさまざまで、いわゆる南京錠から木製のもの、キャラクターもの、ハート型、バイク用の頑丈なものもあり、大きな「おたま」を鍵でぶら下げて「早く結婚できますように」と書いたユニークなものまである。2年前に鍵をかけたというカップルは、「分かれようと考えたこともあったけど、不思議と離れられなかった」と実際にご利益があったとの声も。「宝くじ当選」「合格祈願」というものまで、何でもありのようだ。

 そんな人々の願いが詰まった鉄橋の危機を救ったのは、台中市でボランティア組織の代表を務める林さんだ。昨年秋、この鉄橋が取り壊しの危機に面していることを知り、2カ月間かけてネットで反対署名を集めた。それが効して市交通局から許可が下り、鉄橋の金網部分を公共芸術品の一つとして公費で保存されることが決まったのだ。

 林さんによると鍵をかければ願いがかなうという鉄橋の「情鎖橋」は、韓国、日本、ドイツ、イタリアに次いで「世界で第5番目」なのだそうだ。

 交通局によると、金網部分のみが新しいプラットフォームの両側に移設される予定であり、今後、観光名所として有名になれば一石二鳥だと歓迎する声もある。