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TSMC、設備投資引き上げへ


ニュース 電子 作成日:2012年3月19日_記事番号:T00036033

TSMC、設備投資引き上げへ

  ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は製造プロセス28ナノメートルの供給不足から、設備投資額の上方修正を検討していると明らかにした。証券会社は早ければ4月にも今年の計画を68億米ドルへ13.3%引き上げると予測している。サムスン電子の追い上げに対し、生産能力増強で首位の座を固める狙いとみられる。19日付蘋果日報などが報じた。


TSMCは新社会人1,200人を確保するため成功大学(台南市)の就職説明会に参加した。初任給は大卒3万8,000元、修士4万5,000元、博士6万元(18日=中央社)

 孫又文TSMC広報担当は、生産能力の調整にかかわる問題のため、最終決定は4月26日開催の決算説明会で公表すると語った。

 TSMCは1月の決算説明会で、今年の設備投資額を60億米ドルと発表したばかりだ。昨年の72億8,600万米ドルより17.65%少ない。

受注見通し、6カ月先まで

 観測によると、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)が第1四半期にグローバルファウンドリーズ(GF)への28ナノプロセスの発注をすべてTSMCに切り替えた上、クアルコムなどの需要が非常に強まり、TSMCの受注が満杯となった。TSMCは昨年末、28ナノの受注をアルテラ、ザイリンクス、クアルコム、エヌビディア、AMDから獲得したと発表していた。

 半導体業界関係者は、3月に入りTSMCの先進プロセスの受注見通しが6カ月先まで立ったことが、設備投資の上方修正を検討している理由だとの推測を示した。またTSMCにとって、28ナノが競合を引き離し、今年の成長をけん引する役割を果たすと指摘した。

 シンクタンクの拓ボク産業研究所(ボクはつちへんに僕のつくり、TRI)の楊勝帆副所長によると、タブレット型パソコンやスマートフォンなどの人気で、ハイエンド製品に使用される半導体チップの軽量、薄型、高性能化が進んでいる。TSMCにとって、これらの分野で先駆者のクアルコムやエヌビディアの需要を満たすことが、28ナノ以降の競争で優位に立つための条件だ。しかもサムスンは今年、ファウンドリー事業への設備投資に65億米ドルを計画しており、来年にも20ナノに移行する予定で、TSMCの技術的リードは半年足らずにすぎない。

売上高の1割以上に拡大へ

 TSMCは新竹科学工業園区(竹科)のFab12工場、中部科学工業園区(中科)のFab15工場で28ナノの生産能力増強、20ナノの研究開発(R&D)を進めている。うちFab15では今月中に28ナノで量産に入り、年末時点で月産能力2万4,000枚に引き上げる計画だ。張忠謀董事長は28ナノの売上構成比が年末に10%へと昨年末の2%から大きく拡大すると予測している。証券会社は同15%も狙えるとの見方だ。

【表】