ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2012年3月27日_記事番号:T00036196
日本、中国、韓国、インドから台湾が輸入する鉄鋼製品に対し、反ダンピング(不当廉売)調査を行うと財政部が26日発表した。中国鋼鉄(CSC)によるとダンピングマージン(輸出国の国内販売価格との差)は17.12~38.35%。財政部はダンピング行為を認定すれば、早ければ7月にも反ダンピング課税の暫定措置を行う。27日付工商時報などが報じた。

財政部の反ダンピング調査は、CSCが▽炭素鋼鋼板(インド製ダンピングマージン38.35%、韓国製35.89%)▽炭素鋼冷延製品(中国製34.16%、韓国製30.28%)▽低規格の無方向性電磁鋼板(日本製17.12%)──に対する反ダンピング課税および臨時課税を求めて申請したことを受けて行うもので、15日に関税税率委員会の審議で決定された。
2011年1~9月の統計によると、炭素鋼鋼板の輸入量は4万8,623トンで市場シェア3割を占め、輸入価格は1トン当たり1万9,100~2万5,000台湾元(約5万3,500~7万円)。炭素鋼冷延製品は輸入量7万6,352トン(市場シェア54.15%)で、同2万~2万5,800元。低規格の無方向性電磁鋼板は輸入量1万6,211トン(市場シェア99.37%)で同2万8,400~2万8,600元だ。
一部劣悪品、公共工事の安全懸念
財政部の発表を受け、鄒若斉CSC董事長は、不公平な貿易実態を改善すれば、鉄鋼価格の適正化に役立ち、川上から川下まで台湾メーカーの権益を守ることができるとコメントした。
CSCは申請書類の中で、鋼片、鋼板など低価格の鉄鋼材料が台湾市場に流入し、CSCの受注に大きな影響を及ぼしていると指摘。しかも一部鋼材は劣悪品で、公共工事に使用されることがあれば安全性にかかわると訴えていた。
財政部によると、調査対象の鉄鋼製品は現在いずれもゼロ関税が適用されている。用途は造船、自動車板金、モーター、小型変圧器など幅広い。反ダンピング税が課されれば、台湾国際造船(台船、CSBC)、裕隆汽車などのコスト負担増が予想される。
最終判断は来年1月末
蘇淑貞・関政司専門委員は、業者のデータに基づくと、ダンピングマージンは法規で認められている2%を上回り、台湾の産業に損害を与えていると考えられ、調査開始の条件を満たしていると説明した。財政部の通知を受けてから経済部が41日以内に発表する調査の暫定結果で、台湾の業者に損害を与えているとの認定が出れば、財政部はその後71日以内に反ダンピング税を課すかどうか決定するという。
財政部職員によると、反ダンピング税はダンピングマージンを基に課される。来年1月末にも期間5年間の反ダンピング税課徴の最終判断が下される見通しだ。
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