ニュース 石油・化学 作成日:2012年4月2日_記事番号:T00036305
台湾中油(CPC)は2日午前0時からガソリン類を平均10.7%値上げした。経済部が1日発表した「価格適正化プラン」に基づき、小売価格の上げ幅を半分に抑制する措置を縮小したもの。経済部は紡織、染色、セメントなど製造業のコストが0.1%増え、消費者物価指数(CPI)を0.37ポイント引き上げ、GDP(域内総生産)成長率を0.22ポイント押し下げると試算している。2日付工商時報などが報じた。
ガソリン値上げの前日、ガソリンスタンドに長蛇の列ができた(中央社)
経済部は、価格抑制措置を導入した2010年12月から今年3月末までの間に国際原油価格は43%上昇した一方、税引き前の小売価格は無鉛ガソリン(オクタン価92)で8%しか上がらず、CPCの11年純損失は361億台湾元(約1,010億円)に上ったと指摘した。このため、小売価格における消費者負担の割合をまず60%に引き上げる。今後は値上げの際にコストをすべて反映し、値下げの際は下げ幅を半分に抑えることで、これまでのコスト吸収分を回収する。
CPCの新価格は、▽無鉛ガソリン(オクタン価92)、1リットル当たり34台湾元(約96円、2.3元引き上げ)▽オクタン価95、35.5元(3.1元引き上げ)▽オクタン価98、37.5元(3.6元引き上げ)▽ディーゼル油、同33.1元(3.2元引き上げ)──。08年7月に次ぐ高価格水準になった。
台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)も追随し、2日午前1時から▽無鉛ガソリン(オクタン価92)、33.9元(2.2元引き上げ)▽オクタン価95、35.5元(3.1元引き上げ)▽オクタン価98、37.7元(3.7元引き上げ)▽ディーゼル油、33.1元(3.2元引き上げ)──とした。
CPCは、今年の損失額を当初見込みの514億元から350億元へと、164億元削減できるとの見通しを示した。台塑化も損失削減幅は72億元との予測を示した。
燃料油も価格抑制措置を取り消し、1キロリットル(kL)当たり2,440元引き上げて小売価格2万3,527元となった。一方、液化石油ガス(LPガス)は半分の2元引き下げにとどめ、天然ガスは今月変動なしとした。
ハイブリッド車に追い風
経済部は、一般家庭では自動車1台当たりの毎月の支出が700元増え、バイクは同40元増えると見積もっている。公共交通機関への影響を軽減するため、旅客用船舶、バスに対する補助をガソリン1リットル当たり2.4元から同5元に、タクシーは同2元を同5元に引き上げた。上限は月450リットル。
自動車業界は、ガソリン使用量が比較的多い多目的車の販売に影響が予想される。一方、トヨタの台湾総代理店、和泰汽車が発売した「カムリハイブリッド」や「プリウスC」(日本名アクア)などハイブリッド車(HV)販売には追い風となりそうだ。
運送業界では、「クロネコ宅急便」の統一速達、士林電機集団の新竹貨運がコスト増分を自社で吸収し、運賃に反映しないと表明した。ガソリン価格はコストの2~3割を占める。
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