ニュース 金融 作成日:2012年4月3日_記事番号:T00036332
政府系金融持ち株会社、華南金融控股傘下の華南銀行・深圳支店(中国広東省)は2日、中国に進出する台湾企業への人民元取り扱い業務について中国銀行業監督管理委員会(銀監会)から認可を取得したと発表した。台湾の銀行が同業務で認可を得たのは初めて。取り扱いは5月からの見通しで、台湾企業にとって台湾、中国大陸、香港間でより柔軟な資金の融通が可能となる。近く他の台湾系銀行・中国支店にも同業務への認可が下される見通しだ。3日付経済日報などが報じた。
華南銀・深圳支店は今後、2億人民元(約26億円)の増資を行って資本金を5億人民元に増強し、行員に対する訓練を実施した後、深圳市銀行業監督管理局の審査を経て銀監会の許可を取得し、業務をスタートさせる。
「台湾企業」の定義拡大に期待
ただ現在、台湾の銀行が人民元業務を取り扱うことができる対象は中国に進出する台湾企業に限られ、さらに「台湾企業」の定義は、「台湾に登記があり、中国商務部に台湾企業として登録している企業」というもので、英領ケイマン諸島やバージン諸島など第三国に登記している企業は含まれない。
このため、同行が深圳に抱える台湾企業顧客は数百社に上るが、実際に人民元業務の取り扱い対象となるのは約10分の1にすぎず、さらなる顧客開拓が必要となる。こうした状況を受けて王栄周・華南金控董事長は、「今後大陸(中国)が台湾企業の定義を拡大し、個人の台湾系企業家も対象に含めるよう希望する」と語った。
経済政策が認可に影響
なお、現在中国に支店を開設している台湾の銀行は華南銀のほか、▽第一商業銀行(上海)▽国泰世華銀行(上海)▽台湾土地銀行(上海)▽合作金庫銀行(蘇州)▽彰化商業銀行(昆山)──の5行。
中台間の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)のアーリーハーベスト(早期の実施・解決項目)により、台湾資本の銀行の中国支店は、開業から1年が経過し利益を計上していれば人民元取り扱い業務が可能となる。しかし、華南銀・深圳支店の開業は昨年1月と、他行に比べ最も遅かったにもかかわらず、最初に人民元取り扱い業務の認可を取得した。
これについて経済日報は、他行がいずれも上海など華東地区に支店を構えているのに対し、華南銀のみ、現在景気が低調な状態にある東南部沿海地区に支店を設けていることが背景にあると指摘した。華南銀の認可取得を受けて、他の5行は2日、相次いで中国当局に審査の進度について問い合わせを行ったもようで、土地銀および合作銀幹部は人民元業務実施に向けた準備作業を加速させ、4月末までに業務を開始したいと語った。
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