ニュース 社会 作成日:2012年4月10日_記事番号:T00036417
先週小欄で、台東県で抗がん作用を持つベニクスノキの培養樹、樟芝樹の盗伐が横行していることをお伝えしたが、宜蘭県でもタイワンヒノキの大木群が深刻な被害に遭っていることが分かった。
現場は省道7号線の支道の登山口から70分ほど登った海抜約2,500メートルの深い山中で、「南山神木」と呼ばれる樹齢2,500年の大木をはじめ、樹齢の長いタイワンヒノキが多く生えている場所だ。「南山神木」自体は無事なものの、樹齢2,000年、幹周10メートルの大木が下部を残して切り倒され、内部の材木がくり抜かれて持ち去られるなど、これまでに12本が被害に遭っている。
伐採が禁止されて20年以上に上るが、タイワンヒノキは香りが財運をもたらすとされることから、木製びょうぶや机など工芸品の愛好家による市場が存在し、原木1立方メートル当たりの価格は9万台湾元にも上る。行政院農業委員会(農委会)林務局によると、暴利を目当てに暴力団が盗伐に介入し、登山客に見つからないよう独自に山道を開き、チェンソー用のガソリンを持ち込むなど犯行を組織的を行っている。銃器を持っているため取り締まりも危険で、あるパトロール担当の林務局員は「何度も尾行や脅迫を受けたり、車をぶつけられたりした」と恐怖の体験を語っている。
実際、盗伐の認知件数は2007年の47件から昨年の353件へと、3年間で7.5倍に増えた。ただ、台湾の国有林は総面積167万ヘクタール、パトロール員1人当たりの担当面積は2,389ヘクタールと広大で、しかもパトロール員の平均年齢は50歳を超えていて見回りはきつく、対策は後手に回っているのが実情だ。
とは言え、宜蘭県の盗伐現場は台湾で最も世界自然遺産に指定される可能性が高いと言われる貴重な古木群生地帯で、手をこまねいていて良いはずがない。登山愛好家からは、中国でパンダ密猟者が死刑になるように、盗伐者に極めて厳しい刑罰を課すなど、取り締まりの徹底強化を求める声が相次いでいる。
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