ニュース 社会 作成日:2012年4月19日_記事番号:T00036607
台湾には中華民国の国旗(青天白日満地紅旗)を掲揚する際に歌われる「国旗歌」というものが存在する。日本では国歌「君が代」が同時に国旗歌でもあるが、国際社会で承認されていない中華民国の場合、オリンピックなどの舞台で国歌を演奏することを拒否されることが多く、「国旗歌」が事実上、台湾の国歌としての役割を担っている。しかし最近行われたある調査で、この歌をほとんどの台湾人が歌えない事実が明らかとなった。
実はこの調査を行ったのは1人の一般市民で、台北市でラーメン屋を営む40歳代の鄭文龍さん。
鄭さんは、かつて日本留学の経験があり、当時他国のクラスメートが自国の国旗を目にすると国歌を歌い出す姿が印象的だったという。一方、台湾人は国旗を見てもしどろもどろ。以来、「最近の若者は国旗歌が歌えないのではないか」とずっと気になっていたそうだ。
そこで最近になって個人的に2万台湾元を支払い、調査会社に依頼して実際の状況を確かめようと思い立ったというわけだ。
15歳から50歳までの600人を対象に行った調査の結果、ちゃんと歌えた人はたった7.6%だった。なお17.4%の人は「完全に忘れた」と認め、75%の人は「歌える」と答えたものの、歌詞やメロディーを間違えた。
また年齢層別の調査で、国旗歌を忘れている人が最も多かったのは24~30歳で、30%の人が全く歌えなかった。次は31~40歳で、20%の人が歌えなかった。
15~18歳世代は、学校行事で定期的に歌うためか120人中100人が「歌える」と答えたが、正確に歌えたのはたったの8人。全く歌えない者も10%いた。逆に41~50歳では16人が完全に歌え、すべての層の中で最も多かった。
ただ、海外における台湾人スポーツ選手の活躍を熱狂的に応援する様子などを見ていると、単純に「若者の愛国心がなくなってきている」と結論づけることはできない。台湾を中国の一部とする「中華民国」体制を嫌う民進党政権時代の影響など、複雑な背景がありそうだ。
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