ニュース その他分野 作成日:2012年4月24日_記事番号:T00036710
求人求職情報サイト、1111人力銀行の調査で、企業の29%が賃上げを検討していることが分かった。行政院主計総処によると、昨年賃上げした企業は21%。ガソリン、電気料金の大幅値上げとそれに伴う物価上昇で企業も家庭も負担増を強いられる中、富邦金融控股、裕隆企業集団など大企業は例年通り平均3~5%の賃上げを予定している。一方、行政院労工委員会(労委会)は、昨年7月に3%の賃上げをした公務員(軍人・一般公務員・公立学校教員)は、今年据え置く方針を示した。24日付経済日報などが報じた。

1111人力銀行の何啓聖・広報総監(中)によると、企業の76%が景気回復を実感していない(23日=中央社)
行政院主計総処の石素梅主計長によると、昨年賃上げした企業21%から対象は269万人だったと見込まれ、サラリーパーソン全体の約4割に相当した計算だ。これに公務員を加えると、昨年は労働者の約半数の賃金が上がった。
1111人力銀行の調査によると、上半期に従業員の賃上げを考えている企業29%の引き上げ幅は平均6.45%(昨年4.42%)で、従業員のうち平均49.07%が対象だ。企業が賃上げで考慮するのは、「従業員の個人業績」(47.22%)、「勤続年数」(36.11%)、「勤務態度」(23.33%)が多かった。賃上げ幅が大きい業界は順に「百貨・小売」、「貿易・流通」、「情報・ハイテク」で、職種別では「営業貿易・店舗での顧客対応」(51.04%)、「管理・人事・事務」(22.92%)、「システム・情報」(18.75%)の順だった。
一方、賃上げの計画がない企業は71%だった。その理由は、▽会社に全面賃上げの制度がない、34.19%▽景気見通しが不透明で大幅な賃上げはできない、32.5%▽業務の縮小、15.83%──。物価上昇で営業コストが膨らむと答えた企業も74%に上った。
調査はインターネットでのアンケート形式で4月6~20日に行われ、有効回答は355件だった。
富邦金控、物価以上の賃上げ
富邦金控の蔡明忠董事長は23日、今年の消費者物価指数(CPI)上昇率を2%と見込み、これを上回る平均3~4%の賃上げを実施すると述べた。人事評価の良い従業員は50%引き上げも、賃金が2倍になることもあり得ると語った。

富邦金控を筆頭に、昨年利益が良かった金融持ち株会社や銀行は賃上げに前向きだ。台新金融控股も平均3~4%、評価によっては10%以上引き上げる。彰化銀行は全行員を対象に一律1,000台湾元(約2,750円)上乗せするほか、評価によって平均3.5%引き上げる。中国信託金融控股は3%賃上げし、評価に応じて10%以上の引き上げもあり得るとしている。
自動車大手、裕隆集団の厳凱泰執行長も23日、今年も賃上げする可能性があると語った。裕隆集団は昨年は平均2.8%上げている。経済日報によると、裕隆集団は大規模な求人のほか、電気自動車(EV)に注力するためハイテク業界などから人材を引き抜き、7月に全面賃上げを実施する予定だ。これに先駆け、リースの裕融企業(TAC)は中国の台湾人幹部、現地従業員に対し既に1割賃上げした。陳力雄TAC総経理は、中国リース市場で新規参入が相次ぐ中、人材を引き留めるためと説明した。
電子業界では例年通り賃上げが行われ、台湾積体電路製造(TSMC)、旺宏電子(マクロニクス)、華邦電子(ウインボンド・エレクトロニクス)などは平均3~5%引き上げる。鴻海科技集団(フォックスコン)は、郭台銘董事長が4月初旬に先頭を切って賃上げを表明している。日月光半導体製造(ASE)はグループ企業の中でも海外事業を優先し、台湾では職位が高いほど引き上げ幅を小さくすると明かした。業界関係者は、3~5%の引き上げは電子業界の既定事項となっているが、実際の上げ幅は個人によって異なると指摘した。
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