ニュース 電子 作成日:2012年4月26日_記事番号:T00036762
半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)大手、矽品精密工業(SPIL)は25日、今年の設備投資額を過去最高の175億台湾元(約480億円)に上方修正すると発表した。当初計画の110億元から59%の大幅引き上げだ。景気予測に定評がある林文伯董事長は、半導体景気は第1四半期を谷底に、世界経済の不透明感から短期的には上下動するが、下半期には回復が続くとの見方を示した。26日付工商時報などが報じた。

SPILの設備投資大幅引き上げは、決算説明会に出席していた証券会社を驚かせた(25日=中央社)
新興市場、モバイル需要が大幅増
林董事長は、過去3年の経験を基に今こそ踏み出す時と判断したと語った。同社の設備投資はこの6年、年間100億~110億元を維持していた。大幅引き上げは、想定以上に顧客の要望が強いためで、賭けではないと強調した。
今年と来年の成長のけん引役を果たすのはスマートフォン、タブレット型パソコン、ウルトラブック(超薄型軽量ノートPC)などモバイル端末で、28、20ナノメートル製造プロセスの半導体を大量に採用するため、ハイエンドの封止・検査の需要も大幅に増えると指摘した。ファウンドリーとともに設備投資額を引き上げて、今後の急成長に備える。
林董事長によると、アップル、サムスン電子の携帯電話やタブレットPCがよく売れており、ノキアや宏達国際電子(HTC)の製品もなかなかだ。モバイルインターネットの世界的な人気に陰りはなく、特に新興市場では浸透率がまだ低いため、下半期に低価格モバイル端末の出荷が大幅に増えると予測した。
林董事長はPC市場も楽観視している。インテルが24日発表したばかりの第3世代Coreプロセッサー(開発コードネームIvy Bridge)や、マイクロソフト(MS)が下半期にも発売するとみられる「Windows 8」の効果で、下半期のウルトラブック需要は悪くないとの予測を示した。
Q2はフル稼働、増収増益へ
SPILが同日発表した第1四半期の連結売上高は前期比3.8%減の151億1,800万元、粗利益率は同1.3ポイント下落で14.7%、純利益は同23.9%減の8億9,100万元だった。
第2四半期は既にフル稼働で、売上高が前期比7~11%増え、粗利益率が16~18%まで回復し、利益は大幅に改善すると予測した。

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