ニュース 社会 作成日:2012年5月1日_記事番号:T00036818
薄毛に悩む台北市在住の大学院生、宋さんは、有名タレントを起用してテレビコマーシャルで「奇跡的に毛が生えた」などと宣伝していた著名ブランド、スヴェンソンの育毛剤を購入した。さらに同社の治療プログラムも受けたが、いつまでたっても「奇跡」は起きない。2年間で合計約46万台湾元(約125万円)をつぎ込んだところで気がついた──「だまされた」と。
既にスヴェンソン台湾の責任者は、治療プログラムや育毛剤に効果がないと知りながら、消費者から代金をだまし取ったとして詐欺罪で起訴されている。ひどいことに同社の育毛剤は99%がアルコールに水を加えたものだということが明らかとなり、「被害者の会」も結成されている。
ロンドンで創業し、56年の歴史を持つスヴェンソンは、1995年にスヴェンソン台湾を設立。2004年以降、有名人を使った大々的なマーケティング戦略を展開した。
テレビCMでは香港俳優の李子雄が「私はイメージキャラクターではない。自分の経験を分かち合いたいだけだ」と推薦。台湾人俳優の陳昭栄も「撮影のストレスから抜け毛に悩まされていたが、90日で頭髪に奇跡が起きた」と絶賛した。
しかし、「毛が生えた」という李子雄は、実はCMでかつらをかぶっていたことが発覚。陳昭栄の「奇跡」もまったくのつくり話であることが判明した。
さらに08年、薄毛に悩む消費者4人に同社の商品を90日間使用させ、毛が生える様子を公開するイベントを実施した。しかし、4人はそもそも薄毛などではなく、前頭部の毛を理容師がカットして薄毛のように見せかけ、あとは普通に髪が伸びていくさまを記録しただけだった。
被害者の1人は、「こつこつ働いて貯めた金でただのアルコール水を買わせたスヴェンソンは、自尊心と希望を打ち砕いた」と落ち込んでいる。わらにもすがる薄毛男性の気持ちにつけこんだ企業は許しがたいが、「髪がなくても希望はある」と声を掛けてあげたい。
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