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「公共の場でアルコール広告禁止」、厳しすぎる改正案に反発も


ニュース 社会 作成日:2012年5月3日_記事番号:T00036868

「公共の場でアルコール広告禁止」、厳しすぎる改正案に反発も

 国民党の廖国棟立法委員がこのほど提出した「タバコ・酒管理法」の改正法案の内容がかなり極端だとして話題となっている。廖委員は、アルコール飲料による暴力や事故を減らすため、酒類販売店以外での広告を禁止すべきとしており、ネットユーザーなどから「干渉しすぎ」と反発が起きている。

 同法案が成立すれば、バスや鉄道駅構内など公共の場所でのポスター、のぼり、垂れ幕がすべて禁止されることになる。

 また改正案では、印刷物だけでなく、映画やテレビ番組といった映像広告にも規制が及んでいる。アルコールを飲んでいる場面を強調するようなシーンが禁じられるということだ。これでは、蔡依林(ジョリン・ツァイ)が出演している台湾ビールのCMをはじめ、多くのテレビCMが「違法」になってしまう。

 廖委員いわく、「アイドルや人気スポーツ選手が若者に与える影響は大きい。彼らに勧められたら、若者はアルコールにおぼれてしまう」とのこと。

 さらに気になるのは「『辣妹(セクシーな女性)』や『型男(ハンサムな男性)』はアルコール類を販売してはいけない」という部分だ。街角や飲食店で露出度の高い服を着た女性がアルコール飲料の試飲を勧めている場面をよく目にするが、こういった宣伝を行うと、客はその場を盛り上げるため結果的に飲み過ぎてしまうから、という理屈らしい。

 そもそも、法律の条文に「辣妹」「型男」という俗語が登場することに違和感を感じるが、見た目とは主観的なもの、判断基準はどうするのか。「あなたは『辣妹』ではないので合法」ということもあるのだろうか。

 最近ではタレントのMakiyoが酒で暴力事件を起こし騒動になったが、本来は酒の広告ではなく、飲み方や飲む人の品性が問われる問題であるはずだ。この改正法案、酒造メーカーやタレント業界からクレームが出ることは必至で、職業選択の自由などの点で憲法違反という指摘もある。成立には15名以上の立法委員の署名が必要らしいが、かなり難しそうだ。