ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

クアンタ、クラウドをブランド展開


ニュース 電子 作成日:2012年5月4日_記事番号:T00036921

クアンタ、クラウドをブランド展開

 ノートパソコン受託生産大手の広達電脳(クアンタ・コンピュータ)がクラウド・コンピューティング向け業務に本腰を入れる。3日、QCTブランドを立ち上げ、北米の中・大企業にサーバー、ストレージ、ネットワーク機器を一括提供すると発表した。背景には、ノートPC受託生産市場の飽和があり、この主力業務の売上高構成比を今年7割以下まで引き下げる。4日付蘋果日報が報じた。

 クアンタは同日、米カリフォルニア州に北米支社、QCTを設立すると発表した。資本金10万米ドル、クアンタの100%出資だ。

 QCTブランドの発表は、米フェイスブックがデータセンターの標準化を目的に主導するオープン・コンピュータ・プロジェクト(OCP)フォーラムで行われた。マイク・ヤンQCT総経理は、オープンソースがデータセンターの最適化に貢献すると見込んで発表の場を借りたと語った。まずシノプシス、ASIなどの販路と契約が予定されている。

 なお、今回OCPに加わったのはクアンタのほか、ヒューレット・パッカード(HP)、中国の検索エンジン最大手の百度(バイドゥ)、電子商取引サイト最大手の阿里巴巴(アリババ)など。

 電子時報によると、クアンタが特殊な設計が必要な大型の組織、企業を主なターゲットとし、QCTはノーブランドのデータセンター向けサーバー、ストレージなどのセット提供ですみ分けを図る。

 フェイスブック、グーグルなどによるノーブランドのデータセンター向け製品はクアンタが既に受注していた。林百里クアンタ董事長はこれまで何度も、自社のサーバーが研究開発(R&D)の質でもサービスでも業界をリードしており、企業向け市場でブランドイメージを構築できていると述べ、2013~15年にクラウド業務が急成長すると予測を示した。

粗利益率20%も可能=IDC

 クアンタはここ数年、クラウド関連などノートPC以外にも注力しており、今年のノートPCの売上高構成比は昨年の7割より低下すると見込む。業界関係者は、ノートPC受託生産市場が成熟した中で利益を上げる鍵となると指摘した。

 市場調査機関、IDCの高振偉サーバーアナリストは、ノートPC受託生産の粗利益率が平均4~5%なのに対し、サーバーは受託生産でも10%以上に上り、ノーブランドのサーバー向けなら15~20%も可能だと指摘した。

 クアンタ以外のノートPCブランド、受託メーカーもサーバーなどクラウド関連に乗り出している。今年のクラウド関連売上高は、英業達(インベンテック)が同社全体の25~30%、「Wiwynn」ブランドの緯創資通(ウィストロン)、華碩電脳(ASUS)は同5%以下が見込まれている。

【表】