ニュース 社会 作成日:2012年5月7日_記事番号:T00036923
台湾で日本料理は非常にポピュラーで、繁華街を少し歩けば日本料理店が見つかり、日本のラーメン店が支店を出せば長蛇の列ができるほど。そんな中で先月、台湾の老舗日本料理店共同による「和風創作料理交流協会」が設立された。ただ、この協会の目的は伝統的な「日本料理」にとどまらず、独自に発展した台湾式「和風料理」の確立にあるところが興味深い。
台湾において日本料理は約100年の歴史を持つが、台湾人の味覚や文化に合わせて独自の変化を遂げているのは周知の事実だ。刺身はかなりの厚切りで山盛りのわさびを溶かした醤油をつけて食べる、手巻き寿司を頼むとサラダを海苔で巻いたものが出てくる、しゃぶしゃぶといえば1人用の小さな鍋料理――など、日本にはないスタイルが広まっている。しかし、こういったスタイルが台湾人の間で人気を博しているのも事実だ。
こうした台湾ならではの料理を「和風料理」と定義し、守っていくのが同協会の目的の1つだという。
なお政府の規定によれば、ホテルは8割、飲食店は6割、軽食店は5割の調理師が資格を持っていなければならないが、台湾では今のところ中華料理、西洋料理、パン・ケーキ、飲料に関する資格しかない。
このため、日本料理を出す店は台北だけ1,000軒以上、調理師も数千人に上るにも関わらず、日本料理店の調理師は中華料理の試験を受けるしかなかった。これも協会創設の一因となったそうだ。
今後は同協会が「和風料理」の資格を設け、調理技術はもちろん、特に生ものの取り扱いなど衛生・安全面での信頼を確保し、消費者により安心して食べてもらうことができるようにしたいとしている。資格を保有する店には認定証を掲げる予定もあるという。
同協会の設立により、台湾独自の「和風料理」がさらなる発展を遂げ、いつか日本に逆輸入される日が来るかもしれない。
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