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茂徳、ハイニックスの66ナノDRAM生産へ


ニュース 電子 作成日:2007年11月12日_記事番号:T00003693

茂徳、ハイニックスの66ナノDRAM生産へ

 
 韓国のハイニックス半導体幹部は11日、提携関係にある茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)に最先端の66ナノメートル技術を供与し、DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリ)の生産を進める方針であることを明らかにした。12日付韓国紙朝鮮日報が伝えた。
 
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 60ナノメートル台の製造技術は世界のメモリ半導体業界で、サムスン電子とハイニックスだけが量産化に成功した最先端技術。ただ、韓国の産業技術流出防止法によると、ハイニックスが66ナノメートル技術を茂徳科技に供与するためには、韓国政府への申告が必要で、申告対象技術が国家安全保障に深刻な影響を与えると判断される場合は、産業資源相が審議を経て、供与の中止を命じることができる。

 ハイニックスは2003年に茂徳科技と戦略提携した。現在は同社工場に80ナノメートル技術を供与し、DRAMを生産している。ハイニックスは欧米向け輸出時の相殺関税回避とコスト削減を目的として、中国や台湾への生産移転を進めてきた。同社は中国江蘇省無錫市にあるSTマイクロエレクトロニクス社との合弁工場でも先月から66ナノメートル技術を採用したDRAMを生産している。欧米当局は韓国の市中銀行が過去にハイニックスに対する債権を免除したことが、韓国政府による事実上の補助金支給に当たるとして、相殺関税を適用している。

 ハイニックス関係者は「近く産業資源省と必要な協議を行うことになる。台湾企業は伝統的に委託生産に注力し、中国工場でも中国人は単純生産にのみ携わっているため、技術流出の懸念はほとんどないとみている」と話している。
 
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エルピーダが提携に食指?

 茂徳はこのほど、エルピーダメモリの坂本幸雄社長兼CEO(最高経営責任者)より、提携を検討する可能性があるDRAMメーカーとして南亜科技とともに名前が上がった。

 これは坂本社長が海外メディアの取材に対し、「もしエルピーダが南亜科技および茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)と提携すれば、業界首位のサムスン電子の地位を脅かすことが可能」と語ったもの。現段階では両社との接触は行っていないという。これについてエルピーダの提携パートナー、力晶半導体(PSC)は、「エルピーダとの提携関係は不変だが、メモリ市場統合のよい機会だ」と賛意も示した。

 茂徳は、「エルピーダとサムスンの差は依然大きく、エルピーダが首位に立つには新たな提携パートナーが必要なのは理解できる」としている。現在メモリの製造プロセスはスタック型とトレンチ型の2種類に分かれており、茂徳はエルピーダと同じスタック型、南亜科はトレンチ型を採用しているため、10日付工商時報は、「エルピーダの提携先は南亜科よりも茂徳の可能性が高い」と報じた。
 
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