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「低頭族」をカモに、64歳女スリが御用


ニュース 社会 作成日:2012年5月8日_記事番号:T00036949

「低頭族」をカモに、64歳女スリが御用

 街を歩くとスマートフォンを片手に少しうつむき気味で操作に没頭している姿を目にするのは今や当たり前になり、そんな人々を台湾では「低頭族」と呼んでいるが、これら低頭族をカモにしていた64歳の女スリが7日、新北市板橋区で逮捕された。

 逮捕された徐純慎容疑者は、スリの常習犯で度重なる服役歴を持つ。昨年刑務所を出所した際、街を見渡して一つの疑問を抱いた。「なぜ皆うつむいているんだろう?」──。食事の時も、MRT(都市交通システム)に乗っている時も、自分の荷物を気にせず一心に携帯をのぞきこんでいる。徐容疑者は「これはいい」と低頭族をターゲットに決め、再びスリを働き始めた。

 徐容疑者は台北市の太平洋崇光百貨(太平洋そごう)や、新光三越百貨、統一阪急百貨などの有名百貨店で、低頭族から6件の盗みを行った。4月1日には太平洋そごう地下1階のコーヒーショップで、若い女性が携帯に夢中になっているのを発見。自分の上着で手の動きを隠しつつ、女性のいすの背に掛けられたかばんにそっと手を伸ばし、財布を盗み取った。犯行は気付かれることなく、徐容疑者はその場を離れた。

 その後、被害者女性は30分後にようやく財布がないことに気付き、警察に届け出た。警察が店の監視カメラの映像を調べたところ、徐容疑者の犯行が鮮明に記録されており、このため7日に板橋区の自宅に踏み込んで逮捕した。盗品の財布なども発見されたため同時に押収した。

 徐容疑者は取り調べに対し、低収入で特技もなく、夫を亡くした上、息子は無収入、母親は重病で仕方なかったと泣いて訴えた。しかし、「低頭族が増えてから、本当にスリがしやすくなったのよ」との発言には警察官も顔をしかめざるを得なかった。

 スリに狙われるかもしれないと思っても、低頭族を抜けられないのが今の世の中。「スリ対策アプリ」でも開発されれば安心して低頭族でいられるのだが、さすがに無理だろうか。