ニュース 社会 作成日:2012年5月9日_記事番号:T00036976
台湾ではおなじみの人工調味料「味精」をめぐって、有名ホテルやレストランの間で立場が分かれている。「味精」とは、主に昆布から抽出されたうまみ成分(グルタミン酸)を微生物によって発酵させた後、精製して結晶化させた調味料の台湾における総称だ。
このようなグルタミン酸の調味料を世界で最初に商品化したのは日本の味の素だが、台湾でも数社が「味精」を製造・販売しており、手軽にうまみを増すことができる便利な調味料として広く使われている。
一方、人工調味料には「体に悪い」というイメージもある。実際、入れすぎるとのどが乾くという反応が起き、さらに体質によっては、舌のまひ、腹痛やぜんそくといった症状が起きることもあるそうだ。
なお、世界でも特に中華料理店では人工調味料を大量に使用する傾向が強いようで、上記のような症状を米国では「チャイニーズレストラン症候群」と呼ぶらしい。
こうしたイメージに加え、近年の自然食ブームもあいまって「味精を今後一切使用しない」と宣言するホテルが現れ始めた。
「味精、チキンブイヨン、人工かつおだしを使用しない」と宣言したのは、高雄福華大飯店(ハワードホテル)。ほかにも台北老爺大酒店(ホテル・ロイヤル・タイペイ)などで全面禁止されており、台北西華飯店(シャーウッド・タイペイ)では使った従業員は「見つかれば即クビ」という徹底ぶりだ。
ただ専門家によると、入れすぎなければ基本的には人体に無害だそうで、実際、小龍包で有名な「鼎泰豊」でも、主要メニューにはほとんど「味精」を使っており、人気シェフ「阿基師」が監修する福容大飯店(フーロン・ホテルズ・アンド・リゾーツ)でも、宴会などで短時間でスープを煮込む必要がある際に使用しているそうだ。
無害というなら「味精」を毛嫌いする理由はないのかもしれないが、「こだわり料理」を売りにする高級レストランのメニューに「お手軽」がメリットの「味精」が使われていたと分かればちょっと興ざめだ。
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