ニュース 公益 作成日:2012年5月10日_記事番号:T00037026
台湾電力(台電)は10日、電力料金値上げに関する修正プランを発表、6月10日、12月10日の2段階で引き上げを行うと表明した。修正プランでは、2段階合計の工業用電力平均値上げ幅は当初プランの35%から23〜27%に、産業界から反発の大きかったオフピーク時の値上げ幅も平均62%から50%以下に縮小された。なお先ごろ馬英九総統は、3段階での引き上げを表明したが台電は今回2段階のみに言及しており、経済部関係者は「3段階目の値上げ実施の可能性は極めて低い」との見方を示した。10日付工商時報などが報じた。

台電の修正プランによると、工業用電力の平均値上げ幅は、6月の第1段階で低電圧が11.4%、高電圧が11.9%、超高電圧が13.5%となり、12月の第2段階との合計で、低電圧が23%、高電圧が24.2%、超高電圧が27.1%となる。
なお工商時報によると、オフピーク時の値上げ幅について馬総統は50%に引き下げると表明したが、2段階の値上げでは当初プラン上げ幅の8割までとなるため、現段階で37.5〜47.5%の上昇にとどまる。
また当初プランで全面的に平均30%の値上げとしていた小規模商店の電力料金は、月間使用量が330キロワット時(kWh)以下の場合は値上げ対象から除外され、平均上げ幅は第1段階で10.7%、2段階合計で21%となる。
家庭用も使用量330kWh以下が対象から除外され、第1段階で4.2%、2段階合計で8.9%と、当初プランの16.9%から大幅に縮小された。同日付聯合報によると、月間電力使用量が350kWhの場合、現行料金では1カ月の電気代(非夏季料金適用期間)は約886台湾元(約2,400円)だが、第1段階値上げ後は887元に、第2段階実施後は894元となる。
ただ6月1日から夏季料金適用期間がスタートし、同期間は電力使用量も増加するため、1世帯当たりの一般的な使用量を427kWhとすると、現行では1カ月1,288元が6月10日以降は1,312元に上昇する。
なお台電は、値上げ幅を縮小したことで今年は依然861億元の巨額赤字を計上するが、来年は432億元に縮小するとの予測を示した。
「経済成長率0.36ポイント押し下げる」
今回の値上げプラン実施が今年のGDP(域内総生産)成長率に与える影響について中華経済研究院(中経院)の梁啓源董事長は、「ガソリン、電力の値上げにより、通年の経済成長率は0.36ポイント押し下げられる」との見方を示した。
また電力値上げが物価上昇につながるとの懸念が浮上する中、台電は「今回の修正プラン実施により、今年の消費者物価指数(CPI)年上昇率を0.16ポイント、来年は0.35ポイント押し上げる」と予測している。一方、台湾大学経済系の林向愷教授は、「値上げを2段階に分けたことで、消費者が商品の値上がりを予期して買いだめに走る可能性があり、物価上昇を助長する恐れがある」と指摘した。
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