ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

中国の人気若手作家・韓寒、親切な台湾人に驚き


ニュース 社会 作成日:2012年5月11日_記事番号:T00037028

中国の人気若手作家・韓寒、親切な台湾人に驚き

 中国で絶大な人気を誇る若手作家、韓寒(男性、29歳)が初めて台湾を訪れた際の感想をブログにつづり、中台ネットユーザーの間で大きな反響を呼んでいる。その内容とは、台湾の街で偶然出会った人々がとても親切で善良なことに驚き、現在の中国社会を省みて批判したというものだ。

 韓寒は17歳の時、等身大の若者の日々を描いた処女作「三重門」でデビュー。中国文壇で過去20年での最高記録となる200万部を売り上げ、一躍有名となった。その独特なスタイルと社会に対する鋭い視点が若者の熱烈な支持を集め、今や中国で知らない人はいないほどの有名作家だ。

 そんな彼が今回、夫婦で5月1日から3泊4日で台湾を訪れた後、「太平洋の風」と題した文章をブログに掲載した。そこには2つのエピソードが記されており、一つは韓寒がタクシー車内に携帯電話を置き忘れた時のことだ。彼が必死に探す中、その携帯電話はタクシー運転手によってホテルに無事届けられた。韓寒は謝礼を払うと申し出たが、運転手は「大したことじゃないから」と断った。

 もう一つは、眼鏡店での出来事。妻の眼鏡が壊れたので新調しようとしたが、滞在中に仕上がらないと言われ、あきらめて店を出ようとすると、店主が「不便でしょう。これを使ってください」とコンタクトレンズを無料でくれたというのだ。

 こうした経験について韓寒は「台湾には中国が置き忘れてきた美徳が残っている。中華文化を守り、民族の美しい習慣を残してくれてありがとう」と感謝を記し、一方で中国社会について「台湾に比べてとても冷たい。理不尽で悲しいことが毎日のように起こり、世界中に恥をさらしている。いくら経済的に豊かになっても誇りが持てない」と嘆いた。

 韓寒のブログはアップ後18時間で30万人が閲覧、5万件のコメントが連なった。タクシー運転手が携帯電話を届けたことには多くの中国人ネットユーザーが感心したようで、「もし中国でこんな人に出会ったら神様の加護に恵まれたと思うだろう。しかし悲しいことに台湾では全く当たり前のことなのだ」などの反応があった。

 一方、台湾人ユーザーからは、「北京や上海のビル群は台湾よりも大きいが、彼らには人の素養という最も重要な点が抜けている」、「韓寒はこんなに率直に書いて、共産党政治局から呼び出しを受けないのか?」などのコメントが出された。経済面で台湾海峡の距離がどれほど近くなろうとも、社会水準の溝は依然なかなか埋まらないことを韓寒のブログは示したようだ。