ニュース 社会 作成日:2012年5月18日_記事番号:T00037167
台南市を本拠地とする大手企業グループ、奇美集団が20億台湾元を投じて同市に建設中の大型博物館が8月に完成する見通しとなる中、同グループはこの博物館を市に寄贈すると表明した。17日に行われた寄贈式典に出席したグループ創業者の許文龍氏(84歳)は「人間の命には限りがあるが、芸術品の価値は永遠であり、みんなの共同資産だ」と語り、市民に無料で公開してほしいと要望した。

新博物館は建物正面の幅150メートル、高さ42メートルの、総敷地面積1万2,000坪の威容を誇る(17日=中央社)
奇美集団は現在、美術品のコレクターとして知られる許文龍氏の収集品を基に、自社ビル内に博物館を開設。1992年から無料公開(予約制)しており、年間約40万人が訪れる人気スポットとなっている。
その収蔵品は西洋の美術品を中心に1万7,083点で、その中にはバイオリンの名器として知られる「ストラディバリウス」6挺をはじめ弦楽器が多く含まれ、許文龍氏は「弦楽器の質と量では世界一」と豪語する。
ただ、同博物館は年々増え続ける美術品の収蔵スペース不足しており、新館の建設が急務となっていた。そんな中、台南県政府(当時、現在は台南市に吸収合併)は04年、博物館をテーマとする公園の設置を計画。原則として台南市に新館を設置したいと考えていた奇美集団と交渉し、同公園内での建設が決まった。
奇美集団は、もともと中央政府管轄の行政院文化建設委員会(文建会)に新館の寄贈を予定していたが、より地元と密着した博物館にしたいとの考えから台南市が引き継ぐことになった。新館の運営には毎年、1億5,000万〜2億元の運営費がかかるとされるが、許文龍氏は市が経費を負担し、無料公開を継続するよう希望している。
許文龍氏は「人類の貴重な文化資産を台湾にもたらして市民と分け合い、さらに世界の目を台湾に向けさせることもできる。これはわたしの人生で最もうれしいことだ」と語る。企業の社会貢献の見本と言えよう。
新館は早ければ来年末にもオープン予定だ。
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