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馬総統の就任記念金貨、不人気・金相場下落でさっぱり


ニュース 社会 作成日:2012年5月22日_記事番号:T00037218

馬総統の就任記念金貨、不人気・金相場下落でさっぱり

 1月の総統選で再選を決めた馬英九総統は5月20日、第13代総統に就任して2期目のスタートを切った。これを記念して21日、中央銀行が記念金貨を発行したが、このところの政策に対する不満の高まり、および最近の金相場急落の影響を受け、売れ行きはさっぱりだ。

 総統就任の記念硬貨は1996年の李登輝総統就任以降、代替わりするたびに発行されており、正・副総統の肖像が刻まれたデザインで金貨と銀貨が用意される。5回目の発行となる今回の販売価格は、金貨が過去最高の5万4,000台湾元、銀貨は1,800元となった。

 記念硬貨は台湾銀行が販売窓口になっており、08年の馬総統1期目就任時には、各支店に前日からコレクターが大勢並び、発売と同時に売り切れるほどの人気だった。しかし、きのう台湾銀行本店に並んだのは発売30分前でたった20人。同行190支店合わせても、用意された1万枚のうち初日に売れた金貨はわずか801枚。銀貨も5万枚のうち8,719枚の販売にとどまり、ともに過去最低を記録した。

 このままでは04年に発売された陳水扁総統2期目の記念硬貨と同様、完売を待たずして販売打ち切りの可能性もある。
販売不振は、ガソリン・電気料金の値上げや米産牛肉輸入問題でのいざこざなどで馬総統の支持率が低迷していることが主因だが、金相場の変動にも大きな影響を受けている。

 記念金貨を製造した時点以降に金の国際価格は急落しており、現在の相場1オンス約1,600米ドルで計算すると、記念金貨は4万5,000元の価値しかなく、9,000元も損することになるからだ。

 もちろん、馬総統の人気が高ければ「9,000元はご祝儀だ」ぐらいに考える支持者も多いだろうだが、残念ながら今回そんな人はほとんどいない。馬総統が政策手腕を発揮して支持率が回復すれば記念硬貨の売り上げも増える可能性はあるが、販売が打ち切られる方が早いのではないか。